巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

たくさん歯を削られた方へ!小さく削って白く歯を詰める最近の歯科治療法、ダイレクトボンディング

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

 

虫歯を治療しに歯科医院へ行って、治療が終わって鏡を見てみると『あれ?笑った歯に銀歯が見える!』

なんて経験ありませんか。

削った歯はもう元には戻りませんが、もしまた同じような虫歯になった時にはこんな治療もあるということを覚えていただければ嬉しいです。

歯はなるべく削らない方がいいのです。

歯を削れば削るほど、歯の強度が下がるというデータがあります。

歯を削るのは虫歯を取るためなので致し方ないのですが、たくさん歯を削ると歯はもろくなります。特に歯と歯の間にある歯質(辺縁隆線)がなくなると歯は最大で60%脆弱化してしまいます。

なるべく削らない治療法として最近ではMIと呼ばれる治療法が広がりつつあります。

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この図は歯と歯の間(隣接面)の虫歯治療の治療前と治療後の画像です。前の画像は虫歯を最小限に削っているところです。極力、歯と歯の間の歯質(辺縁隆線)を残し、歯の強度の脆弱化を防いでいます。

後の画像は虫歯を除去後、コンポジットレジンをワックスコーンテクニックと呼ばれるやり方で元の歯があった状態に回復しています。

ワックスコーンテクニックとは本来被せ物や、詰め物を作るために歯科技工士がワックスを使って歯の外形を作っていく方法ですが、これをコンポジットレジンにも応用しています。

MI治療法とは?

MI治療法はミニマムインターベーションの略で最小限の侵襲とも呼ばれています。

歯を削る範囲を極力最小限にとどめて治療しましょうという治療コンセプトのことを言います。10年ほど前からこのような考えが生まれてきました。

なぜMI治療法が10年ほど前から広まってきたのでしょうか。

自分の歯をたくさん削られたくないのはみなさん同じ思いだと思いますし、昔からそう言った治療があってもおかしくはないのにどうして最近になってからMIなのでしょうか。

3つの理由があります。

理由①プラスチック技術の進化(コンポジットレジン開発)

歯科用プラスチックのことをコンポジットレジンと呼びます。

かつて20年前のコンポジットレジンは、脆弱なもので強度もないため奥歯などの大臼歯部には使えず、磨耗性、耐久性もないため治療した後、すぐに噛み合わせによってすり減ってしまうようなものでした。

また水分や色素も吸収してしまうため簡単に色が変わってしまいました。

歯とコンポジットレジンをつなげる接着剤(ボンディング材)も現在のものと比べると材質が悪く、数年経つと着色や水分を吸収して歯とコンポジットの境に黒いラインが生じました。

これをコントラクションギャップと呼ばれ、審美的にも、強度的にもコンポジットレジンでの治療は限定的なものでした。

しかし20年経った現在、歯とコンポジットをつなげる接着技術が進歩してコントラクションギャップ(歯の境)が生じづらくなりました。

またコンポジットレジンの強度も開発され、フロアブルタイプ(液状)のコンポジットレジンにも強度が付与されるようになりました。

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上図は保険外治療のコンポジットレジンです。

保険治療以外では自費治療専用の高強度性コンポジットレジンが世の中に普及されるようになったのもここ10年前からです。

コンピジットレジンについて詳しくはこちら

理由②コンポジットレジン充填の治療法の進化

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コンポジットレジンを歯に詰めるやり方は20年前の治療法と現在とでは全く異なります。

まるで上図のように時代が変わると治療法も変わるのです。

従来の方法では図の左のように削った歯にとりあえず穴を埋めるように充填するだけが治療でした。

しかし最近の治療法では右図のようにいかにも歯ができているかのような充填法を用いて治療します。

ワックスコーンテクニックがそれに当たりますが、コンポジットレジンを少しずつ重ね、充填し、歯の構造通りの形を成形します。

この技術ができるためには本来の歯の構造を知っておく知識が必要になります。

理由③インレー(詰め物)下の二次カリエスの問題

今まで治療されていた詰め物が永久的に持つと言われるのはもう過去の話です。

体の一部に異素材の物質が入ることで、何らかのリスクが生まれます。特に銀歯などの歯がある場合、虫歯の再発率は高く、詰め物の下にトラブルが起こることは多いです。

歯科医院に行かれる患者様の40%以上が昔受けた治療の再治療と言われています。

40%のうちやはり銀歯の下の虫歯は割合として高いのではないでしょうか。

このことから歯を結局たくさん削って銀歯の詰め物をしても、次に問題が出た時に、それ以上に歯を多く削らないといけなくなるため最初に削る歯を少なくする方法の方が、歯の寿命を見た時に長持ちできるのです。

従来の金属の詰め物治療法と比較して

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従来から歯を削って銀歯を作る時は、私たち歯科医師はブラックの窩洞という言葉を知らなければなりません。

ブラックの窩洞とは詰め物を作る時の詰め物を歯に維持するための削り方です。

上図のように詰め物がしっかり保持できるよう歯の中心や溝の場所を多く削らなければなりません。

患者様が歯科医院で治療を受けて疑問に思われているのは、こういう場合ではないでしょうか。

予想外に削られたと感じる患者さまのほとんどが、広範囲に銀歯が詰まっていることが多いです。

コンポジットレジンのMI治療では銀歯のように多く歯を削ることは無くなりますので、歯の寿命を考えた上である意味アンチエイジングとも言えます。

コンポジットレジンのMI治療ではできないこと

ここまでお話しするとコンポジットレジンのMI治療が万能であると思われる方もいらっしゃると思いますが、全ての歯にコンポジットがお勧めというわけではありません。

①奥歯などの噛み合わせが強く働くところ

大臼歯と呼ばれる奥歯では噛み合わせが非常に強く当たります。

コンポジットレジンでは噛み合わせの状況も含めて問題ない場合であれば治療可能ですが、充填範囲が多かったり、対合の歯が深く噛み込んでいる場合は、将来的にコンポジットの破折を招く場合があります。

②すでにたくさん削られている詰め物の場所

『銀歯を白い詰め物にしてほしい』ということをよく聞きますが、たくさん削られた銀歯の場所をコンポジットで充填することはとても難しいです。

再現できたとしても簡単に割れたり、物が詰まりやすくなる場合もあります。

歯はなるべく削られてない状態の方が、コンポジットレジン治療での歯の復元がしやすいです。

まとめ

これからの歯科治療ではなるべく歯を残すような治療が主流になると言われています。

強度的な耐久性が必要な奥歯などではプラスチックより、セラミックや金属などがオススメです。

ご自身の歯にもし虫歯がある場合、たくさん削る治療からMI治療に切り替えるのも一つのアンチエイジングですよ。

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