巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

『虫歯が深いので歯の神経をとります。』はちょっと待って。歯の神経を残すために知っておきたいこと

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『虫歯が深くて神経をとらなければなりません。』

『先生、神経とりたくありません。』

『。。。。』

歯医者さんでの一コマですね。

歯の神経を取らずにどうにかしたい。

まだ神経生きているのに歯の神経をなんで取るの?

こんな素朴な疑問誰だって抱きますよね。

今回は歯の神経を取らずにどうにか治療してほしい方のための治療法をお話しします。

歯の神経を残すために知っておくべき5つのこと

虫歯が深い場合、私たち歯医者さんは虫歯を全て取り除かねばなりません。

その結果、治療中神経を取らなくてはなりません。

これは日本だけでなく世界的にも共通の認識で虫歯を削って神経が出たら根管治療(歯の神経の治療)が必要と言われています。

欧米人は歯のサイズが大きく神経のエリアも狭いのでたくさん削っても神経を残す可能性があるのに対し、日本人は歯が小さいわりに、髄角(神経の位置)がたかいので神経を取ることが多いと言われています。

それでも歯の神経を取らないようにするためにはどうするか。

知っておくべき5つのことを記します。

①う蝕検知液を使いながらちょっとずつ歯を削る

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う蝕検知液を削る場所に浸すと、虫歯のところのみが染まり、虫歯でないところは染まりません。

検知液で染まる場所をちょっとずつ削ります。

ちょっと削っては、もう一度検知液を浸し、また染まったところを削ります。

これを繰り返すことで歯の神経を露出させることを回避できます。

検知液を浸しても染まらなくなるまで、染まったとしても薄ピンク色くらいになるまで続けます。

この時点で神経が出なければ高い確率で神経を残すことができます。

う蝕検知液についてもっと詳しくはこちら

②マイクロルーペで深い虫歯を慎重に削る

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歯を削るときにマイクロルーぺと呼ばれる拡大鏡を使います。

このマイクロルーペは歯を削る視野が裸眼のときの3〜7倍ほど拡大できます。

拡大鏡を使うことで虫歯の状態、深度などが鮮明になり、より確実に虫歯のみを削ることができます。

それにより余分な歯を削ったりすることが回避されるので、これもまた神経を取るリスクが減ると言えるでしょう。

③神経が出てしまったらMTAセメントで封鎖する

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虫歯を削っていくと偶発的に神経が出てしまうことがあります。

この場合すべての神経を取らずに済む方法があります。

MTAセメントを露出した神経部に入れて数ヶ月仮の詰め物で様子を見ます。すると歯の神経部分から新しい歯の組織が再生され、神経とMTAセメントの隙間部分に歯ができます。

これを第2象牙質、新生象牙質などと呼びます。

神経を取らずに歯の組織ができたら詰め物を製作します。

MTAセメントについてもっと詳しくはこちら

④ドックベストセメントなどの各種殺菌処置を行う

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虫歯が深いところにあり神経を取るリスクが高い場合にはドックベストセメントなどの抗菌治療を行う場合があります。

神経に近い虫歯をあえて削らず残したままの状態にさせます。

残された虫歯部分にドックベストセメントを塗っていき、問題がなければ詰め物を入れていきます。

ドックベストセメントに含有される銅イオンが虫歯を殺菌し、神経を温存させます。

ドックベストセメント以外にも3mix法、オゾン法、高出力レーザー法、また殺菌水など様々な抗菌治療法があります。

がしかし、これらの治療には医学的な文献やリサーチが乏しく、殺菌治療をする方全てが神経を残せるわけではありません。

ダメになるかもしれないリスクを知った上で治療をなさってくださいね。

ドックベストセメントについてもっと詳しくはこちら

⑤ タービンよりも5倍速コントラ

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歯を削るには主に20万回転以上、超高速回転のタービンと呼ばれる器具と4万回転ほどの5倍速コントラがあります。

両方とも歯を削れますが、タービンの方が削ってる感覚が軽く感じます。

つまり、歯をなでるだけで多くの部分を削れてしまうので、歯の神経に近い部分を慎重に削るには不向きです。

5倍速コントラは持ち手にしっかりと歯を削った感覚が伝わります。

またブレも少ないため歯を多く削らなくて済みます。

歯を削る器具によっても歯の神経を残す要因の一つになると言えるでしょう。

タービンとコントラについてもっと詳しく知りたい方はこちら

まとめ

誰だって歯の神経はとりたくありませんよね。

上の5つの方法で歯の神経を取る可能性は減るでしょう。

しかし、これで歯の神経を残せられるとは思わないでくださいね。

すでに虫歯菌が神経に到達してる方、

虫歯が神経の中にあるため次第に神経が炎症を起こす時が訪れます。または腐ってしまうこともあります。

虫歯が広範囲に深く神経周りにある方、

抗菌処置が追いつかず、神経に虫歯が感染するリスクが増えます。

神経が敏感になってしまった方、

たとえ虫歯を全て取ったとしても歯髄の反応で炎症が起こることもあります。

全てのリスクを踏まえた上でなるべく神経を取らない治療を行ったくださいね。

しかし、そこまで虫歯を放っておかずに定期的に歯科検診をしてくださいね。