巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

保険治療でできる白い詰め物プラスチックのこと。プラスチックの最先端治療法

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

 

虫歯の治療が終わった後、ふと鏡をみると笑った歯に銀歯が入っていることに気づき落胆されたことないですか。

また前歯の治療をした後にプラスチックで治療して白い詰め物が歯に入っている方いませんか。歯科の保険治療では銀歯とプラスチックの二種類の素材が歯の詰め物として扱われています。

今回は歯科治療で使うプラスチックについてお話ししたいと思います。

歯科治療プラスチック(コンポジットレジン)

歯科治療で使われるプラスチックのことをコンポジットレジンと言います。コンポジットレジンの歴史は古く1960年代から始まりました。

コンポジットレジンはマトリックスとよばれるベース材のプラスチックに、フィラーと呼ばれる粒子が含まれます。

マトリックスにフィラーが入りプラスチックの強度を上げる性質があります。

またこのプラスチックに(400nm〜500nm)の可視光線領域の光をあてることで硬化します。

よく歯科医院で見たことがある方はいるかもしれませんが青い光が出るランプです。

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『私の歯はプラスチックで全て治療してくれないの?』

虫歯をプラスチックで治療する場合、プラスチックにはそれぞれ長所と短所があります。この長所、短所を見極めた上で治療を行います。

『A歯科医院ではここの虫歯は保険治療では白くできないと言ってたのに、B歯科医院ではできるって言ってたの。』

なんてことを聞きます。

保険治療ではプラスチックの白い詰め物で治療が全てできますが、治療したところがすぐトラブルを起こしてしまい、再治療で再度歯科医院へ通うことになってしまいます。

それは面倒ですよね。

プラスチックの長所、短所を是非知っていただき、主治医の先生とご自身の虫歯治療を十分にご相談されると幸いです。

プラスチック治療の長所

①歯を削る量が極端に少ない

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従来の虫歯治療では歯を削る方法としてBLACKの分類とよばれる方法で歯を削り型取りをしていました。

BLACKの分類とはインレーとよばれる銀歯を歯に付ける際に銀歯が歯と箍のように引っかかり外れないようにする削り方です。

外れないようにするためには虫歯以外の場所も深く、多く削らなければなりません。

それに比べプラスチック治療はプラスチックと歯をボンドで接着するため銀歯のように必要以上に削る必要はありません。

プラスチック治療をもっと知りたい方はこちら

②歯を白いもので修復することができる

プラスチック治療では歯を白く治療することができます。この点が一番患者さまにとって嬉しい点です。

③治療回数が基本的に1回で終わる治療

銀歯の治療などで製作されるインレーは型取りした後に技工所で製作され、二度目の来院の際に歯科用セメントでつけられます。

プラスチック治療では基本的に一回の治療で歯にプラスチックを成形して詰めて終了です。

④審美的な治療としてよく使われる

前歯の隙間が空いたり、前歯に出来た見た目に問題の残る虫歯に関して、プラスチックにて治療ができます。

一番簡易的に低予算で仕上がります。

プラスチック治療の短所

①奥歯などの噛み合わせが強い場所には適さない

一番奥歯や二番目の奥歯の大臼歯は噛み合わせが強い箇所です。

ここに噛み合わさる対合の歯や、対合の歯の素材、(銀歯なのか、天然の歯なのか、プラスチックなのか)によって簡単にプラスチックが欠けたり、摩耗したりすることがあります。

②経年的に色がつく

プラスチックと言うとプラスチック製の弁当箱を想像していただければわかりやすいと思います。お弁当箱にケチャップやソース、いろいろな食材を使っていると弁当箱に色が付いてくることがありますよね。

お弁当箱はハイターに漬け置きして漂白することはできても歯に詰めたプラスチックはできません。最初は綺麗に詰めた後は経年的に劣化したり、色が変わっていきます。

③歯と歯の間などの治療でものが挟まりやすくなる場合もある。

歯と歯の間の部分をプラスチックで治療するには非常に難しいです。またプラスチックは多少収縮しますので歯とプラスチックの間にギャップが生じる場合もあります。

プラスチック治療では虫歯治療の際、その場で成形するのに対し、銀歯(詰め物)治療では技工所で模型を取り外しながら製作するので、この件に関してはプラスチック治療の方が劣ります。

④喪失した歯の形や、歯と歯の位置により難易度(テクニックセンシティブ)がある。

③にも言えることですが、プラスチックで成形する場合、それを行う先生によって技術差が出てきます。最近はMIコンセプトとよばれるなるべく削らないで治療しましょうという考えが多いので、プラスチックにての治療が多くなってきてます。

歯と歯の間だけでなく、歯と歯の距離、以前詰められた詰め物の形、歯の喪失量、によって難易度が上がります。

積層充填法(少しずつコンポジットを積層して成形する技術)やコンタクトマトリックス(歯と歯の間の治療に使う)を使用する場合としない場合では治療に差が生じます。

最新保険外のプラスチック治療

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保険外治療(自費治療)にもコンポジットレジン治療があることをご存知でしょうか。保険のものと異なる保険外のプラスチックとは一体どういうものなのでしょうか。また保険治療のものと比べどう違うのでしょうか。

フィラーの含有率

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先ほどプラスチック(ベースマトリックス)に含有されるフィラーによって強度が異なることを記載しましたが、簡単に説明すると、フィラーの含有率が保険内のものと比べ非常に多いのです。

ナノフィラーとかマイクロフィラーと呼ばれ、微粒子のフィラーが多量にマトリックスに含有されているため、強度、磨耗性、色素沈着性に富んでいます。

技術量

コンポジットレジンの治療技術についてかなりテクニックスキルが重要です。コンポジット修復について熟練した先生で治療を行うことでいかにも歯のような状態で仕上がります。

色が豊富

保険外で使用されるプラスチックには色が豊富なバリエーションがあります。この様々な色のプラスチックを重ねて充填することで天然の歯に近い色が再現します。

またステインや色味、くすみをあえてつけることでただ単に白いだけではない本物に近い歯も作れます。

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まとめ

歯科用プラスチックで治療することで白い歯を簡単に作れます。

しかし噛み合わせ、対合の歯などの歯の条件をしっかり考慮して取り組まないと治療したプラスチックがすぐ割れたり、物やフロスが詰まりやすかったり、舌に鋭利な突起が当たったり、、、

と不意なアクシデントが起こってしまいます。

虫歯の治療を受ける際は主治医と相談の上、何が一番適しているかを選びましょう。

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