巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

早期接触がおこす歯のトラブルについて知っておきたいこと

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こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。

『虫歯ではないのに噛むと歯が痛い。』

『前歯のある一部分だけ歯が揺れている。』

『特定の被せ物がよく外れる。』

『歯が欠けた。』

歯のトラブルっていろいろありますよね。

歯磨きのしなさすぎ。歯医者さんを途中でリタイア。タバコやお酒たくさん。

でも毎回欠かさず歯磨きをしているのに、定期的に歯医者へ通っているのに、、、

もしかしたらそれは噛み合わせから来るものかもしれませんね。

上の4つのトラブルに共通する現象があるんです。

早期接触と言います。

上のトラブル4つの原因は必ずしも早期接触だけで起こるものではありませんが、そもそも早期接触って何?

そしてその解決法について今回はお話します。

早期接触を知ろう!の前に

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早期接触は模型上でわかる

早期接触をざっくり簡単に言うと、ゆっくり上下の歯を噛み込ませた時に一番最初に当たる歯同士の接触のことを早期接触と言います。

この時顎が緊張状態になってなく、顎関節症でもない、本来の上下の顎の正確な位置で噛み込むことが必要です。

以前お話しましたがこの上下の噛み込む本来の顎の位置を中心位と言います。

CRと覚えてください。

早期接触を知る前に中心位咬頭嵌合位について覚える必要があります。

中心位について詳しくはこちら

ちなみに中心位は歯医者さんによって行うものなので、ご自身で中心位は見つけられません。

今ご自身でゆっくり噛んでる上下の顎の位置が中心位であるとは限りません。

中心位CRに対して

『上下の歯で噛みこんでください。』この顎位置を咬頭嵌合位といいます。

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咬頭嵌合位のことをCOと覚えてください。

少し複雑な話ですが、

今上下の歯で噛んでいる位置が正しい方もいますが正しくない方もいます。

噛んでいる位置が正しくない方とはどういう方なのでしょう。

CR≠CO  (中心位が咬頭嵌合位でない方)もいます

本来の噛んでいる位置が現在噛んでいる位置であれば理想的ですが(CO=CR)

いろいろな理由でそうなっていない方もいます。

①歯の治療を複数本行っていて噛み合わせが正確でない方

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虫歯の治療を一本ずつ行いたくさんの歯を治療された方。

その噛み合わせは正確な状態でないかもしれません。

高い→削る。高い→削るの繰り返しをしていると顎の位置はどんどん変わっていきます。顎や関節、筋肉はある程度の許容があるため、どんなに削っても次第に慣れてしまうのです。

その結果CR≠COになることがあります。

②元々の歯並びが悪くどこで噛んでいいか迷っている方

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悪い歯並びによって噛む場所が安定していない方。

現状の歯並びの中で一番物を咀嚼しやすい場所で噛んでるかもしれません。

例えばオープンバイト(上下の前歯がかみ合っていない方)の方は奥歯の噛み合わせに頼るしかありません。

噛み合わせの位置が悪い方はCR≠COになりやすいです。

③虫歯や歯周病で多くの歯を失っている方

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歯が虫歯や歯周病などで大きく損壊している方。

どこで噛んでいいかわからなくなり、今歯があるところで噛もうと意識します。

顎のセンサーは無意識に動くため、今歯があるところで噛んでいる位置が適正な位置だと誤認識します。

今歯があるところはCRではありません。

 

このようなCR≠COの方に中心位を求め、噛み合わせを分析する上で早期接触は紐解く鍵になります。

早期接触はCR(中心位)で噛み込む時に最初に当たる歯のこと

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早期接触はCRバイトでわかる

CO=CRであれば中心位で噛み込んだ時に複数の歯が当たり咬合力が分散されます。

しかし

CR≠COの場合は中心位でゆっくり噛ませた時にまず先に一箇所の歯が当たりこみます。その後歯はCOの位置(噛み込んだ位置)に移動したり、移動しないでそのまま噛んでたりします。

COの位置に移動するのをセントリックスライドと言います。

CR≠COの場合、早期接触が起こるとどんなトラブルが起こるのでしょう。

早期接触のトラブル

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早期接触がある歯に起こるトラブルを挙げると。

①何も起こらない

CR≠COだからと言ってその多くがトラブルになるとは限りません。

またCR=COの方が大多数なわけではありません。

人の多くは生きてる上で何らかの生理的圧力で歯は摩耗したり、歯の治療を少なからずしています。

CR≠COが病気だということではありません。

②歯が強く当たり揺れる

早期接触で歯につよい負担がかかり歯が揺れてしまうことがあります。

③歯周病になりやすくなる(咬合性外傷)

前歯の特定の場所が歯周病になる方は早期接触が原因かもしれません。

つよい早期接触によって歯を支持する骨が溶ける咬合性外傷が起こります。

④被せ物(差し歯)が外れやすくなる

被せ物をしている場所に早期接触があると差し歯が何度も外れたり、差し歯自体が割れたりすることがあります。

⑤歯が割れやすくなる

つよい力の負担は時に歯を割ってしまうことがあります。

⑥歯が虫歯になりやすくなる

早期接触で歯に負荷が加わると微小なヒビが歯の表面に出来ます。

クラックとも呼ばれこのヒビの周囲に細菌が集まり虫歯になります。

⑦歯がすり減る

歯が割れたりするだけでなく歯自体に摩耗が起こったりすり減ることも起きます。

⑧神経の治療が治りにくくなる、根の病気になりやすくなる

つよい負担のかかる歯に根の病気がある場合、Vシェイプと言って病気が根に沿ってVの字型をします。

治療は困難で治りにくくなります。

他まだ挙げられますが

以上のようなトラブルが起こる場合があります。

まとめ

早期接触について難しいとは思いますが少し理解していただけたでしょうか。

早期接触によって起こるトラブルは虫歯や歯周病以外にも知ってほしい現象の一つです。

次回は早期接触の解決法、実際に早期接触を探る方法についてお話しいたします。

→歯のお悩みご相談はこちらで承っております。