巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

早期接触の解決法と実際に早期接触を自分でチェックしてみよう!

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こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。

前回は噛み合わせで起こる早期接触についてお話しいたしました。

早期接触によって歯に色々なトラブル可能性があります。

では実際自分の歯に早期接触が起こった場合どのような対処法があるのでしょう。

またご自身でできる簡単な早期接触のチェック法をお話しいたします。

こちらのブログを初めて見る方へ。

お手数ですが専門的な話なので、前回のブログを参考にしていただけると幸いです。

早期接触って何?を知りたい方はこちら

早期接触があったらどんな治療を行う?

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CR(中心位)で噛み込んだ時に最初に当たる早期接触ですが、解決法として大きく二つに分かれます。

早期接触によって何らかの影響が歯や歯の周りの組織に起きた場合と、何も影響がない場合とで治療法は異なります。

①強く当たっていて障害がある場合は咬合調整をする

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早期接触が歯に強く当たり歯に何らかの負担が起こっている場合は強く当たる歯の部分を削り、負担を減らします。

強く当たった状態で早期接触をそのままにしておいた場合、

歯が欠けることがあります。

歯を支える骨がなくなり歯が揺れることがあります。

歯に亀裂が入り虫歯になりやすくなります。

歯に負荷が加わり歯の神経が死んでしまうことがあります。

早期接触が差し歯の場合、差し歯が何度も外れてしまうことがあります。

②早期接触の位置を知り診断として取り扱う

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早期接触は中心位の状態で噛み込む時の最初に当たる場所になります。

そのまま噛み込むこと(咬頭嵌合位)の状態と比較してどれくらいずれているかを分析するのに必要な診断材料となります。

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中心位と咬頭嵌合位のずれの距離が1mm以上の場合何らかの噛み合わせの治療をして現在の噛み合わせを中心位に近い位置にしないとなりません。

ゆえに早期接触は必ずしも削るのが治療ではなく、ズレを見るための診断として扱います。

③咬合をリニューアル(噛み合わせ治療)

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噛み合わせが低い場合、早期接触を調整するだけでは治療にはなりません。

低い噛み合わせが余計低くなってしまいます。

その場合は周りの低くなった噛み合わせを足して早期接触がおこるところで均一にかみ合うようにして治療することがあります。

また早期接触を超えて全ての噛み合わせを挙上することもあります。

(噛み合わせの挙上には限度があります。)

④矯正治療

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歯ならびが悪い方で早期接触がある方は歯を矯正移動させて3次元的に補正して改善します。

歯は削るだけでなく移動させることで噛み合わせも改善します。

早期接触は咬合調整するということではないのです!

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早期接触は必ずしもあったら削って調整すべきわけではありません。

噛み合わせのズレは誰しも起こるものです。

かつて噛み合わせの不具合を調整する方法として、多数の歯を削りながらいい噛み合わせを作っていく治療法がありました。

しかし現在ではあまりいい方法だとは言えません。

なぜなら

噛み合わせは変わっていく。

噛み合わせは低くなり続ける。

削ってしまったものは後戻りできない

以上の理由から現在では早期接触で何らかのトラブルが起きている場合にのみ咬合調整を最小限で行います。

あくまで早期接触は噛み合わせのズレを見るための診断基準として捉えます。

 

実際に早期接触を自分でチェックできる?

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答えは自分でチェックできない方が多いですが、できる方もいます。

歯に早期接触で強いストレスがかかっている方にはわかる方法があります。

フレミタス触診法

『上の歯全体に指の腹を当ててみてカチカチ噛んでください。』

噛んでみるとどこか一箇所、振動が他より強い場所がありませんか。

これをフレミタスと言います。

フレミタスが強い方は歯が大きく揺れている場合もあります。

歯が他の歯よりも強く当たるとこのように歯に振動が強く伝わります。

早期接触から中心位と咬頭嵌合位のズレを知る方法

早期接触から噛み合わせのズレを診断し、中心位と咬頭嵌合位がどれほどズレているかを知るためには幾つかの方法があります。

ズレを知るためには各種機械を使って調べます。

①咬合器によってズレがわかる

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噛み合わせを診断したり、差し歯を作る咬合器によっては中心位と咬頭嵌合位のズレがどれくらいの距離か診断するものがあります。

これを使って噛み合わせを改善します。

②顎運動装置によってズレがわかる

顎にモーションキャプチャーをつけて自然な顎の動きを診る顎運動装置と呼ばれるものがあります。

顎のズレもこの運動装置を使って診断できます。

③全調節咬合器フェイスボーによってズレがわかる

全調節性咬合器はその操作の難しさから最近ではあまり多くの歯医者さんで使われてはいませんが、全調節咬合器と専用フェイスボーによってズレを診断することもできます。

まとめ

虫歯でないのに歯が痛い、特定の歯だけ揺れたり、歯周病になる。歯が欠ける、割れる。

これらはもしかしたら早期接触によって起こるものかもしれませんよ。

歯のケアはもちろん、歯磨きしたり定期的な検診も必要ですが、噛み合わせのチェックも大事ということを知っておいてくださいね。