こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。
患者さん『今日は歯の検診お願いします。』
歯医者さん『では歯茎の検査しますね。少しチクチクしますよ。』
患者さん『チク!!痛っ!』
歯医者さんであるこんな一コマありますよね。
歯茎の検査は歯周病の状態を診断するのに重要な検査です。
プローブと呼ばれる専用器具で歯茎の中を探って歯周病かどうかを判断します。
これをプロービングと言います。
でも、プロービングするとチクチクして痛いし、血も出るし、検診に来たのにこんな不快な気持ちになるなんて。
と感じてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そんな方に朗報です。
アメリカサンディエゴの研究チームが痛くない歯周病検査を開発したのです。
しかも私達がイタリアレストランで口にしたことのあるあれ。
そうイカスミを使って歯槽膿漏検査を行うんです。
今回はプロービングって一体どういうことをするのか。そしてイカスミを使った最新歯周病検査についてお話しします。
目次
歯茎の検査、プロービングって何?
プロービングとは歯と歯茎の間にプローブと呼ばれる器具を挿入し、その挿入具合によって歯が歯周病になっているかどうかを把握する検査です。
普段、歯は歯槽骨と呼ばれる骨によって周囲が支えられています。
しかし一旦歯周病になってしまうと歯の周りの歯槽骨が溶けて出してしまいます。
プローブにはメモリが付いていて溶けた歯槽骨の付近を測るとメモリの数値が大きくなります。
歯の周囲を探りメモリの数値が大きい箇所が歯周病ということになります。
プローブの数値で歯周病評価
- 1〜2mm 健康な歯肉、もしくは軽い歯肉炎
- 3〜4mm 初期の歯周炎
- 5〜6mm 中程度の歯周炎
- 7mm以上 重度の歯周炎
歯茎を検査するとき挿入したプローブの数値により歯周病の度合いを評価します。
各種プローブとその特徴
プローブには各社メーカーによってメモリの異なるプローブがあり、用途別、使いやすさで各歯科医院で採用されております。
また現在ではあまり使われていませんがCPIという歯周病評価方法で使われるCPIプローブというものもあります。
先が丸いのが特徴です。
プローブはステンレス製なのが主ですが、近年ではプラスチック製、ディスポーザブル用、
またインプラント専用プローブ、歯の根の又部専用プローブなどもあります。
知っておきたいプロービング方法
4点法
歯を上から見たときの4方向の数値を測ります。歯の近心、遠心、頬側、舌側と言います。
6点法
6方向の数値を測ります。
歯周病検査プロービングの欠点
①チクチク痛い、歯肉を傷つける
チクチク経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歯と歯茎の中に器具を入れられれば少なからず痛みが出ます。また軽度ではありますが組織が破壊されます。
多少健康な歯肉もプロービングにより出血し歯茎を傷めてしまいます。
歯肉におでき(腫瘍)嚢胞がある方は過剰なプロービング圧によって炎症が悪化してしまうこともあります。
②評価方法には個人差がある
あくまでプロービングは一人の歯医者さんの評価方法に過ぎません。
その歯科医院にA歯医者、B歯医者さんがいた場合AとBの評価方法には誤差が生じます。
プローブの圧を強く行って患者さんが痛くてもしっかり行いたい歯医者さんと患者さんの痛さに考慮してプロービングをそっと撫でる程度で測る歯医者さんでは数値に違いが出てきます。
(正式なプロービング圧は100g程度)
③歯によってはプロービングしづらい箇所もある
歯は全ての歯で同じ形をしているわけではありません。
また個人によって歯が密着している方、くっついている方、標準とは異なる形をしている方もいらっしゃいます。
例えば犬歯の隣の第一小臼歯には歯の根が分岐している場所がありプロービングがしづらくなっています。
また下奥歯の第一大臼歯にも根が分岐していてプロービングしづらくなっています。
(分岐部専用プローブを使うと効果的です。)
『歯茎の検診でチクチクしたり血が出たり、こんな不快な検査したくないなあ』
そんな方に必見の情報です。
イカスミを使った歯周病検査開発
カリフォルニア大学サンディエゴ校で2017年9月7日イカスミを使った新しい歯周病検査法を開発したと報告がありました。
ジェシー・ジョーカースト教授はイカスミと光と超音波装置によって歯茎の健康状態を知ることができたと説明しています。
『歯周プローブを使用することは、懐中電灯で暗い部屋を調べるようなもので、1度に1つの領域しか見ることができません。私たちの方法では、すべてのライトスイッチを反転させるので、部屋全体を一度に見ることができます。』
つまりイカスミ歯周病検査は低侵襲であり検査に個人差もなく、歯周病を全体的に把握することができるようです。
超音波と光を使って歯周病を把握
まずイカスミを口に含みすすいでもらいます。
イカスミの中に入っているメラニンナノ粒子は光を吸収する作用があります。
歯と歯茎の間に入ったイカスミに光(レーザー光)を当てます。
歯茎の中に停滞したイカスミのメラニンナノ粒子は光に反応すると熱膨張します。
すると歯周ポケットの中で圧力差が発生し、これを超音波装置で読み取ります。
メリットとしてプローブを使わない痛みをともなわない歯周病検査であり、また誰が行っても一定な評価、そしてプローブが1歯4点6点のみの評価法だったのに対しお口の中の歯周病をマッピングできることです。
そう遠くない未来の歯科検診
現在口をすすぐイカスミが塩っ辛いことと検査で使うレーザー光が高価なことが今後の問題のようです。
高価なレーザー光からLEDへの変換、そしてイカスミの味を改善させることで将来的な実用を進めているようです。
そう遠くない未来、歯科検診でイカスミ水をすすいで歯周病を検査する時代が来るかもしれませんね。
まとめ
私たちが普段検診で行う歯周病検査について。と最新の検査法研究。
いかがでしたでしょうか。
まずはご自身の歯が歯槽膿漏にならないよう定期的に歯医者さんへ通ってくださいね。
歯の検診で
『ではこの黒い水ですすいでください。』
と言われる日が来るまで頑張りましょうね。
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