巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

歯に黒い線があるのはなぜ?消すことはできるの?

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『先生聞いていいですか?』

『なんでしょう?』

『虫歯の治療の後の歯を見るとまだ黒いんですが、、これってまだ虫歯を取りきれてないんじゃないんですか?』

 

という一コマ

診療しているとたまにあるんです。

もちろん虫歯はしっかりと取っていますよ。が、なぜ黒い部分をとり残して詰め物をするのでしょうか。

今回は虫歯治療で不思議に思うことについてお話ししたいと思います。

歯に黒い線があるのはなぜ?

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虫歯はミュータンス菌と呼ばれる砂糖などの糖類を好む細菌によって作られます。

ミュータンス菌が歯についた糖を糧にへばりつき、酸を排出します。この酸により歯のカルシウムイオンやリンなどのミネラルが奪われます。

脱灰と言われ、歯がザラザラになったり、歯の表面に白濁が生じます。

脱灰を改善し歯にミネラルを補給する方法は以前お話ししたと思いますが詳しく知りたい方はこちら

歯の再石灰化MIペーストについて知りたい方はこちら

初期虫歯

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虫歯は脱灰のステージを超えると歯の内部へ浸食します。白濁したものが次第に茶色くなり、黒い点として見られます。

奥歯の溝の部分に黒い線や点としてよく見かけます。

この段階は虫歯のレベルでいうと初期虫歯C1と言われ、特に大きく削るような治療はしません。

レントゲンを撮り中まで進行していなかったらフッ素やMIペーストを塗るなどの予防歯科ケアに重きを置きます。

黒く進行した虫歯は痛くない?C2の治療法

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虫歯はミネラルを奪うとそれに代わって歯の成分が腐ったり、外からの色素がついたり、虫歯の酸によって酸化して黒い色に変わっていきます。

この黒ずみは歯の表層にあるエナメル質を通り越し中層の象牙質に達した時点で大きく拡大していきます。

象牙質の成分の30%はコラーゲン、つまり水分を含んでいるため酸は多く溶かしていきます。

症状は以外にも全く痛くありません。稀にチョコレートなどの甘いものでしみたり、冷たいものでしみたりすることがあります。

歯に黒い線ができる原因

虫歯の進行した経路を大きく分けてみると6つの層に分けられます。

多菌層寡菌層先駆菌層混濁層透明層→生活層

なにやら難しい言葉が出てきましたが、

簡単に言うと

多菌層  めちゃくちゃ虫歯菌がいっぱい

寡菌層  まあ虫歯いっぱい

先駆菌層 虫歯最前線

混濁層  虫歯はないが酸によって歯は影響

透明層  影響少しあり

生活層  影響なし

虫歯が歯に対して影響を与えるときに虫歯が存在するところ、虫歯が存在しないが酸により影響を受けているところ、影響を受けていないところの3エリアがあります。

上から虫歯菌の多いゾーンでなり、下の生活層や透明層には虫歯菌は存在しません。混濁層は虫歯菌がいないとされていますが、虫歯の出した酸により歯に少なからず影響を与えられてます。

どのような影響かというと、

歯の結晶構造(顕微鏡レベル)も変化したり、歯の色が変性している場合(歯が黒くなる)があります。

でも顕微鏡下でしかわからない先駆菌層をどうやって削るの?

 

私たち歯科医師はどのようにして削らなければいけない虫歯、先駆菌層までをけずれるのでしょうか。

 

歯の黒い線は消すことはできるの?

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虫歯治療で削る歯と削らない歯を見分ける方法については、実際のところ全ての歯科医師が共通の考えで行っているわけではないのが現状です。

大きく分けて二つの意見に分かれています。一つは全ての黒い部分を削る考えの方、

もう一つはう蝕検知液を使って削る考えの方

どちらにもメリットデメリットがあるので参考にしてください。

全ての歯の黒いところを削る考え方

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20年前以前の考え方はこの考え方の方が多かったです。

メリット

虫歯のリスクになるであろう場所を徹底的に取る考えですので、何と言っても削った後に黒い部分がないのがメリットですね。

しっかりとることで二次虫歯になるリスクが軽減されます。

デメリット

大きく削り詰めることがいい結果になればいいのですが、削る量が増えることで神経に近くなります。

詰め物と神経の距離が近すぎることで、刺激が神経に伝わりやすく最終的に神経を取らざるをえない場合もあります。

う蝕検知液で染まるとこ、染まらないとこを削る

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最近では歯をなるべく削らずに極小で削り治療する方法、MIコンセプトが21世紀から普及したため、現在ではこちらの考え方が主流です。

虫歯治療を行う場合アシッドレッドプロピレングリコール液、通称う蝕検知液を使用します。

う蝕検知液は虫歯の部分に色をつける性質があります。先ほどの先駆菌層までは着色しますが、混濁層では着色が起こりません。

う蝕検知液を使うことで虫歯に色が赤くつきます。赤い部分をうっすらピンクになるまで削ります。

メリット

歯を削る量が極端に減ります。以前までは黒い部分を全て取るために神経を取る方が多かったのですが、この治療法で歯を少なく削ることが可能になりました。

デメリット

①診療時間が前者に比べかかります。検知液を垂らしては削り、垂らしては削りを繰り返すため虫歯治療を慎重にならざるをえません。

②虫歯の取り残しのリスクがあります。前者の治療法と比べ、検知液で着色した虫歯を取るのですが行う先生によってうっすらピンク色まで削る、色の基準が異なります。

これにより取り残しが起こる可能性もあります。

③前歯では審美障害が起こります。黒く着色している虫歯を全て取る方法に比べ、黒みを残しながら治療が終わることもあります。

前歯の場合、プラスチックが透けて黒みが少し出ることもあるので、前歯の治療時にはリスクの説明が必要です。

まとめ

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虫歯治療をしたのに黒い点や線が残っていると感じた方、ひょっとしてう蝕検知液を使った治療ではないでしょうか。

もしそう感じた時には遠慮せずに担当の先生に問い合わせてくださいね。

虫歯が大きく神経を取らざるをえない場合はドックベストセメントでなるべく神経を取らない方法もあるので参考にしてください。

ドックベストセメントについてはこちら

またなるべく歯を『ウイーン』となる切削器具で削りたくない方はカリソルブをお勧めします。

カリソルブについてはこちら

 

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