巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

インプラント治療が失敗しないために知っておきたいサージカルガイド(治療編)

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

前回の『インプラント治療が失敗しないために知っておきたいこと(原因編)』ではインプラントの失敗例や事故についてお話ししました。

ではインプラントが安心、安全に長くお口の中にあるためにどのような取り組みや治療法があるのでしょうか。

今回はインプラント治療を行う上で知っておきたいサージカルガイドについてお話ししたいと思います。

サージカルガイドとは?

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サージカルガイドとはインプラント治療を行う上でテンプレート上の器具を装着してインプラントを埋入するシステムです。

このテンプレート上の器具にはあらかじめパソコンソフトで設計したインプラントを埋入する位置がインプットされています。

つまりこのテンプレートを使用してインプラント治療をすれば新人であれベテランであれ同じところにインプラントが入るのです。

この治療をテンプレートオペやガイデッドサージェリーとも呼びます。

サージカルガイドを作るためにはあらかじめパソコンのソフトで設計しないとなりません。

このようなパソコンソフトウェアをガイデッドソフトウェアと呼びます。

ガイデッドソフトウェアで何ができる?

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パソコンのソフトウェア上でインプラントの埋入位置を設計します。

パソコンのお絵描きソフトでインプラントの入るところを描くと思ってください。

歯型の模型とCTの画像を重ねあわすことでインプラントを将来的な歯の入るところに埋入することができます。

ガイデッドソフトウェアを使うことでどんなメリットができるのでしょうか。

①補綴(噛み合わせ)主導のインプラント設計

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従来のインプラント治療では骨のある場所に優先してインプラントを入れていました。それが斜めになっていたり、歯が入るところとは程遠いところに入っていたり。

その結果、インプラントの部分に物が挟まりやすかったり、歯肉炎になりやすかったりと様々なトラブルがありましたが。

ガイデッドソフトウェアはあらかじめ歯が入る位置を予測してデザインを作ります。このことで正確な位置にインプラントを埋入することができます。

②レントゲンやCTの画像を使って設計できる

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模型からインプラント埋入位置を決めるだけでなく、CT画像を重ね合わせ(インポーズ)することで骨の中のインプラントの角度を予想して設計できます。

CT画像だけでなく2次元のパノラマレントゲンでも埋入位置をシュミレーションできます。

CT、模型、パノラマレントゲンの3データによりより正確に設計プランニングができます。

③神経や血管の損傷を回避できる

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インプラント治療において一番歯科医師が留意しなければならないことが神経や血管の損傷です。

インプラントを埋入する骨の周りには血管、神経が多く存在します。

CT、レントゲンなどをみて事前に診断することはできますが、何度角度を変えないといけないとか、何ミリ位置を変えなければいけないとかは実際に術中は予測がつきません。

ガイデッドソフトウェアにより神経、血管を特定的に抽出しこれらを回避するよう設計プランニングすることができます。

④術前から被せ物までの設計ができる

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噛み合わせ治療や、矯正治療では理想的な歯の状態を診断的に分析し、視覚化することができます。

矯正用セットアップについてはこちら

インプラント治療でもパソコンで仮想的な歯を作りこれをもとにインプラント埋入位置を設計できます。

⑤いろんな治療プランが設計できる

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複数の歯が失われている患者さまにはインプラント治療において何通りもの治療法があります。

複数のインプラント治療計画を立て、患者さまに選択していただくことも可能です。

どうやってサージカルガイドを設計するの?

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サージカルガイドはガイデッドソフトウェア、パソコン上のソフトによって作ることができます。インプラントの埋入本数や顎の状態によって方法は異なりますが以前からあった方法と、現在主流になりつつある方法があります。

従来の方法(ダブルスキャン)

CTを二回撮影する必要があります。

まず最初に患者さんのCT画像を撮影します。その後ラジオフィックガイドとよばれる仮想的な歯が入っているテンプレートを装着した状態で再度CTを撮影します。

ラジオフィックガイドにはインプラントを埋入するための位置がレントゲン上に反映されます。

ラジオフィックガイドと最初の画像をインポーズ(重ね合わせ)してサージカルガイドを設計します。

現在の方法(シングルスキャン)

インプラントを1本や2本の治療される患者さんの場合は、模型とCT画像を重ね合わします。

これは一回のCT撮影でインプラント設計が可能になります。

ソフトウェア上には歯茎、骨、診断用の歯を取り込むことができます。

この状態でインプラント埋入位置を設計します。

設計後、サージカルガイドが工場で製作され、短期間4日間でインプラント治療前日に歯科医院に届きます。

サージカルガイド、ガイデッドソフトウェアの需要

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サージカルガイドやガイデッドソフトウェアの市場の動向でいうと、

その一つ、ノーベルクリニシャンは2010年からの受注で100台から2015年の191台と年々需要が増えています。

また大学での教育カリキュラムもこのようなパソコンソフトを使ったデジタルデンティストリーが組み込まれています。

低侵襲でテクニカルエラーをなくすために各会社のソフトは年々グレードアップしています。

まとめ

私たちのインプラント治療を安全にそして簡単に行えるようパソコン上のソフトで設計し、テンプレートを使って治療をする、ガイデッドサージェリーについてわかっていただけたでしょうか。

せっかくインプラント治療をご決断したのだから長く、快適な歯を入れたいですよね。

インプラント治療も日々アップグレードして治療法や器具、材料などが開発されています。

マスコミや新聞のインプラントバッシングによって多くの患者様にインプラント治療への不信感を作ってしまいました。

二度とこのようば不信が、患者さまに募らないよう、我々歯科医師やメーカーは常に努力を怠らないようにしなければなりません。

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