こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
ちまたで話題のポリリン酸て聞いたことがありますか。
歯科や医科の領域でよく使われていて今ではホワイトニングの薬剤、ポリリンホワイトニングでも有名になっています。
ポリリン酸は人間の体にどう作用するのか、また害があるものなのか、を今回はお話したいと思います。
目次
ポリリン酸の人への作用
現在の研究からポリリン酸をざっくり言うと体には害がない成分で構成されていて、口に含んだり、飲み込んだりして吸収しても、体には特に危害は及ぼさない成分です。
ポリリン酸の研究では歯周病抑制効果やステインの着色を抑制する効果、骨の再生効果、また歯科以外では育毛効果などもあり、多岐にわたりポリリン酸の効果が人間の体に有益だと言われています。
しかし、まだポリリン酸がなぜ生体に有益かはまだ研究の段階であり、今後さらなる研究報告を期待しているのです。
殺菌水、機能水と比較したポリリン酸
現在、洗口剤として機能水があることをご存知ですか。
機能水とは主に次亜塩素酸の電解水で商品としてパーフェクトペリオウォーターやエピオス、ポセイドンなどがあります。
次亜塩素酸電解水は体に無害な液体で、洗口するだけで口の中にある歯周病菌や虫歯菌を殺菌する画期的なお水です。
これら多くの次亜塩素酸電解水は口の中に入ると常在菌、歯周病菌、虫歯菌などすべての菌を不活性化して歯周病予防や虫歯予防などに使われています。
しかしある一方、すべての口内菌を殺すことで悪い菌だけでなく良い菌までも殺されてしまうのです。
良い菌までなくなったお口の中では菌が普段のものと交代してかえって悪い菌を多く作ってしまうという危険があります。
ポリリン酸の抗菌効果はマイナスイオンに帯びているためすべての菌をコーティングすると言われています。
その結果、健康な菌。お口の中の常在菌は活発になり、虫歯や歯周病の元となる悪性菌はポリリン酸にコーティングされた後、浸透圧の変化によってなくなってくるのです。
これによりポリリン酸は機能水のような殺菌してすべての菌を死滅させる働きでなく、健康な菌に働き、また悪性菌には自滅するよう働くので体に安心なものとして扱われます。
ポリリン酸の漂白効果
ポリリン酸の実験で、歯の構成要素であるアパタイトの結晶プレートに紅茶などの着色液に漬け、その後ポリリン酸に浸すと綺麗に着色が取れたという研究報告があります。
この研究には続きがあり、再度着色液につけるとポリリン酸で浸したプレートは着色しなかったのです。
ポリリン酸には漂白効果もあると同時に沈着防止効果もあると言われています。
ポリリン酸の再石灰化
ポリリン酸の歯に対する働きを分子レベルで見てみます。
ポリリン酸は歯の表面のエナメル質にあるカルシウムイオンと多く結びつきます。
歯の表面についた汚れにポリリン酸は反応し、汚れとカルシウムイオンごと結合します。
この時ポリリン酸はポリリン酸カルシウムになり汚れとともに歯から剥がされます。
ポリリン酸カルシウムは唾液中で分離しリン酸カルシウムとなって歯に再石灰化を促します。
また歯についたポリリン酸はポリリンコートと呼ばれ、再度ステインの沈着を抑制する効果があります。
ポリリン酸ホワイトニングと他社ホワイトニング薬剤ビヨンド、ティオンとの比較
ビヨンドシステムの特徴は薬剤の中に金属片であるカタラーゼを配合することで過酸化水素を活性化させます。
過酸化水素の脱色効果を期待してよりホワイトニングを白くさせる能力がカタラーゼにはあります。
ティオンはGC(歯科材料メーカー)で販売されている歯科医院では比較的メジャーな商品です。
ティオンの特徴としては二酸化チタンを配合していることでこれも過酸化水素を活性化させます。カタラーゼに比べ知覚過敏が抑制されます。
よってビヨンドシステムに比べティオンの方がやや知覚過敏抑制作用があると言えます。
一方ポリリン酸ホワイトニングでは歯の着色を落とす効果があり、これに過酸化水素を配合することで
漂白効果を上げ、さらに知覚過敏を抑制することを期待しています。
エステサロンやデンタルサロンのホワイトニングと歯科医院のホワイトニングのちがい
最近では多くのエステサロン、美容室などでホワイトニングを導入されていますが、一体歯科医院のホワイトニングとどう違うのでしょうか。
①過酸化水素が使えない
一番の大きな違いは医薬品の取り扱いがサロンでは行えないことが大きな違いです。ホワイトニングをする上で重要な過酸化水素水は薬事上、劇物の扱いになります。
ポリリン酸ホワイトニングでもポリリン酸と過酸化水素を混ぜ合わすため、過酸化水素を取り扱えないサロンや美容室でのホワイトニング効果は事実上ないと言えます。
②セルフホワイトニングが主流
法律上、サロンや美容室でのホワイトニングは安全な薬剤のみの使用になっています。
体に害のない薬剤をご自身でホワイトニングするタイプが主です。
自身で行うため薬品も安全性の取れたものに限られます。
③ポリリン酸単体のものが多い
安全な薬剤とはまさしくポリリン酸のみのことで過酸化水素を扱えないのでホワイトニング効果というよりもステインの着色予防や歯の汚れを落とす効果にとどまります。二酸化チタンや金属を触媒にもできるので見た感じは歯が白くなっているように見えます。
まとめ
ポリリン酸が体に安全で骨の再生、歯茎の再生、傷の早期治癒促進、ホワイトニング、歯の強化など多岐にわたり歯に対して効果があると言われていますが、まだまだエビデンス(研究)が多くあるわけではないので今後のポリリン酸研究に期待しましょう。
歯を白くさせることでご自身の歯への意識が高くなることは非常にいいことだと思います。
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