巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

神経を取った歯が痛いのはなぜ?噛むと痛いのはなぜ?神経治療中のトラブル

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

「〇〇さん、虫歯が大きいので神経をとりますね。」

「はい。神経を取ったからこれで痛くないんだ。一安心」

その後

「あれ、食事してると神経取った歯でものを噛むと痛いなあ」

「神経取ったのに歯がうずうずするな。なんでだ?」

なんてこと。神経治療中によく起こることです。

今回は歯の根の治療で起こる痛みについてお話ししましょう。

根の治療で起こる痛みの原因

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根の治療で起こる痛みはいろいろありますが何が原因かで痛みの種類が異なります。

歯髄(歯の神経)が原因の場合

よく歯医者さんから「歯の神経を取りますよ」という言葉を聞きますが、

実はすべての神経が除去されていることではありません。

歯の中に入っている神経は歯の根元に行くに沿って網目状の神経が張り巡り、まるで葉っぱの裏側のような樹状のような形をしています。

ここでいう「神経を取りますよ」の神経とはメインになっている神経の経路であって、樹状の枝分かれした部分ではありません。

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神経治療中の初回目では大部分の神経は取れますが、残りの枝分かれした先の神経はまだ存在します。

これが炎症の原因になり痛みが起こる原因になります。

残った神経のあまりの部分は二回目の治療でだんだん綺麗になるのでご安心ください。

 

ただ神経の治療をしているとどうしても神経の通路が細すぎてわからない部分があります。神経の隠れ通路を見出せないと、他の部分が綺麗になっても隠れている部分の神経が残っているためお痛みが残ることもあります。

歯の神経の形は10人いたら10通りの形をしているので綺麗に隅々までを綺麗にさせるためには根管治療専門医の治療をお勧めします。

根管治療専門医についてはこちら

歯根膜(歯の靭帯)が原因

神経の治療をすると歯の周りにある靭帯、歯根膜が痛くなることがあります。

歯の神経を歯の根元の部分で分断すると顎や血管を取っていた神経は歯の根元部分でなくなります。

歯根膜は歯を支える骨と歯の間に介在するところなので分断された神経が歯根膜中に存在し、

歯の神経がなくなると歯が違和感を感じたり、硬いものを噛むと痛く感じるのです。

また歯根膜は神経だけでなく繊維や血管なども豊富で圧力を受けた時のセンサーもあります。

歯を噛んだ時神経がある歯と神経がない歯で多少感じが違うのは圧力を受ける場所が違うからです。

強い力で噛んだり、神経の治療で強く刺激してしまうと歯根膜炎という炎症が起きます。

歯の神経の治療中、噛んで歯が痛かったら多少噛み合わせを削って痛みを軽減させます。

病巣が原因

歯の根の病気が多かったり、膿が既に排出されている場合はその痛みの原因は病気にあります。

すぐに膿を解放して消毒をします。

何回かの消毒で根の治療をすることで歯の根の病気は軽減されるでしょう。

しかしあまりにも病巣が大きい場合や病巣が歯周病と交通している場合、ひび割れなどが起きている場合は病巣は縮小しづらくなると言えるでしょう。

膿を排除させて根の治療がスムーズに行けば痛みも改善するはずです。

歯にヒビがある場合

歯にクラック、ヒビがあると痛みが生じます。特に神経の治療中は歯がもろくなっているため、歯に亀裂が出やすいです。

一度亀裂が起きてしまうとヒビの状態によりますが最悪抜歯しなければいけなくなります。

歯に生じた亀裂から細菌が侵入し感染します。

つまり歯科医師が神経の治療中、ヒビを発見した時、その歯があまり予後がいい歯でないことを予想します。

歯に穴が空いている場合

歯の一部に穴が空いている場合、その部分から痛みを伴うことがあります。

これは穴の周囲から感染物が侵入しているということ、歯に加わる圧力にその穴の部分の圧の浸透が異なることで痛みが出るなど考えられます。

何れにしても菌を少ない状態にして穴を封鎖しなければなりません。

最近ではMTAセメントが開発されたので、穴の部分にMTAセメントにて補修すれば感染物の流入が食い止められます。

これによって痛みを軽減することができます。

MTAセメントを詳しく知りたい方はこちら

歯の神経の治療中に気をつけたいこと

①硬いものを治療中の歯で噛まないよう心がけてください。

②仮の蓋が取れたらお電話をしてください。近日中にお越しください。

③ガム、粘着性のものは極力控えてください。

④痛くなる時があるので痛み止めを飲んでください。

まとめ

歯の神経をしたのに歯が痛くなるのは本末転倒ですよね。

なるべく歯の症状が少なくなるよう注意しながら治療はしたいものですが10人いたら10人、感じかたもそれぞれです。

治療途中でもし歯が痛くなったら強く当たらないよう噛み合わせを調整し、その後痛み止めを処方します。

また極力歯の内部の残った神経や病巣を消毒させて、機能的に再度使えるよう努めます。

神経の治療は、何度も通院しないといけなかったり、噛むと痛くなったりで大変ですが一本でも歯を残すことが大事なのでしっかり歯医者さんに通ってくださいね。

何度も何度も神経の治療をしたが未だお痛みがある場合は一度専門医で拝見していただくことをお勧めします。

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