巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

歯科検診後、歯医者さんで治療しない方が半数以上?口腔崩壊が多い日本の歯科事情

Mother and child are consulted at hospital

こんにちはヴェリ歯科クリニックの院長田島です。

2018年6月

全国保険医団体連合会の調査によると『治療が必要な子ども』

小学校で約5割

中学校で約7割

高校で約8割がその後の歯科医院での受診をしていません。

また口腔崩壊といって虫歯が10本以上ある子どもがいると答えた小学校は全体の約4割でした。

今回は歯科受診しない子どものこと、口腔崩壊の現状についてまとめてみました。

歯科検診後、歯医者さんで治療しない方が半数以上?口腔崩壊が多い日本の歯科事情

歯科検診を受けて虫歯と指摘されたのに歯科治療を受けないのはなぜでしょう。

歯科検診後に歯科治療にいかない理由

そもそも虫歯になった時点で早く治療をしないと治療が容易ではなくなり、削る歯も多くなってしまうのが歯科治療です。

早期発見早期治療を目的とした歯科検診で指摘したにもかかわらず歯科治療を受けていない理由として下記が挙げられます。

  1. 貧困
  2. 両親が共働き、もしくはひとり親で歯科医院に連れていけない
  3. 部活や塾などの習い事が忙しくていけない
  4. 育児放棄(ネグレクト) 

理由は様々ですが虫歯をそのままにすることは現状悪化してしまうので検診で虫歯の指摘を受けたら早めの受診をこごろがけなければなりません。

その中でも虫歯が10本以上ある子どもは特に注意が必要です。

口腔崩壊とは?

口腔崩壊は口のなかの虫歯が10本以上で不衛生であり、また噛み合わせも悪くなってしまうことを言います。

このような方の特徴として虫歯の歯を何年も放置してしまったせいか歯の根だけの状態(残根)の状態が多く見られます。

また虫歯になりやすい奥歯が主に崩壊しますがジュースや砂糖が好きな方は前歯も崩壊します。

砂糖好き、飲料水好きなシュガージャンキーについてはこちら

口腔崩壊の治療

口腔崩壊の治療は難しい

一度口腔崩壊の状態になってしまったら、残念ながら普通の虫歯治療のように一本ずつ治療してもうまく治りません。

それは噛み合わせもおかしくなっているからです。

通常であれば一本の虫歯を治療して歯を作る時周りの健康な歯の間でいる位置を基準に歯の高さを決めます。

しかし口腔崩壊で歯の多くがなくなっていると噛み合わせの基準の高さがわからないためとても低い歯を入れてしまいます。

その作業が順々に続いていくと結局噛み合わせが低い状態になってしまうのです。

口腔崩壊の治療には咬合再構築

咬合崩壊の治療は噛み合わせを再構築する治療法、フルマウスリコンストラクションが必要です。

私の治療症例ですが下の図のようになります。

thumbnail_case09

詳しくはこちらのブログ

歯のポジション、をレントゲン、模型、あらゆる診断器具を使い高さを決めます。

ただしその高さが正解かどうかは試してみなければなりません。

本物の歯のような仮歯を数ヶ月使ってもらい顎関節、筋肉、歯、発音などが調和取れるまで確かめます。

慣れていただいたら仮歯を読み取り差し歯を作ります。これをシークエンシャルトリートメントと言います。

口腔崩壊の原因

口腔崩壊の原因は、本人の歯磨きの習慣がないとか、唾液の分泌量が少ないなど様々ですが、幼少期に親が虫歯の治療や歯磨きに対して必要なケアを子どもにさせない

いわゆる

『デンタルネグレクト』

が原因です。

例えばそのような両親は

『どうせ虫歯と言っても乳歯だから、健康な永久歯が生えてくるから関係ないよ』

と思われているようです。

まとめ

口腔崩壊のない子どもを多くするためには今後自治体だけでなく主治医や民間も手を取り合って意識を高めなければなりません。

そのためには私たち指導側(医療者)だけでなくお父さんお母さんも積極的にお子さんの歯のケアに関心を持ってくださいね。

日本の歯科治療への意識が近い将来欧米のそれに近づければいいですね。

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