巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

噛み合わせで知っておきたい6つのこと

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こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

『私は歯の噛み合わせが悪い?』『昔から普通に噛めてるし、痛い歯もないから関係ないわ。』『噛み合わせを治さないとダメですか?』こんなこと感じたこと、言われたことありませんか。

噛み合わせの良い悪いはどうやって決めてるの?

噛み合わせの良い悪いにはある一定の指標が必要になります。噛み合わせを専門で治療をされている先生には各々その指標が異なる部分もあるかと思われますが、ここで噛み合わせを診るときの基準の一例を説明させていただきます。

これはUSC(南カリフォルニア大学)の補綴科の教授robert L lee先生の指標基準(Bioesthetic and function)を参考にしております。

1. しっかり噛んだ時に顎の関節が適正な位置にあるか

(centric condylar position with disk in place)

顎の関節は、下のアゴの骨の先端(コンダイル)と、頭蓋骨の受け皿のような役割をする関節窩、そしてその間にある軟骨、関節円板(disk)から構成されています。

しっかり噛んだ時のコンダイルの位置が関節窩に対して上寄り、後ろ寄りなど偏った位置ではなく適正な位置(前上方)にあるのが良いとされており、さらにそこに関節円板が介されることが理想なのです。icon_3

2. 犬歯の役割が果たせているか

(cuspid guidance)

別名犬歯ガイドともよばれます。犬歯は噛み合わせにとって非常に重要な役割を持っています。

奥歯は垂直的な力には強いのですが、側方からの力には弱いのです。

側方からの力とはつまり歯ぎしりの時に奥歯に干渉が起こることを言います。奥歯同士がぶつかり合って干渉を起こすと歯は欠けたり擦り減ったりするだけでなく痛身が出たり、折れたりすることもあります。

そんな時に犬歯は奥歯を守ってくれる役割をするのです。カスピッドガイダンスと呼ばれるのですが側方に歯を歯ぎしりでずらした時に犬歯を介在されることによって奥歯の干渉が取れることを言います。

横にずらした時に犬歯がぶつかり合って奥歯に歯が当たらないということは、奥歯に側方の力がかかっていないことを意味してるのです。

3. 前歯の役割が果たせているか

(anterior guidance)

下の前歯と上の前歯がぶつかる関係のことで、下の前歯を前に出した時の上の前歯の裏側の形態が適正な力で擦れる関係を言います。

下の前歯が上の前歯にあたらないのも良くないし、強くあたりすぎるのも良くはないのです。

この前歯の関係は②の犬歯ガイドとともに奥歯を守る役割をします。

4. 全ての歯が均等に噛み合っているか

(centric stops for all centric cusp)

人間には親知らずを含めると32本、親知らずなしで28本の歯があります。

歯は咬頭と呼ばれる凸凹の凸の部分と、窩と呼ばれる凸凹の凹で構成されています。

上の歯と下の歯が自然に噛んだ時に28本の歯が全て均一に、しかも咬頭が窩にしっかりと噛みこむような状態が一番理想と言われています。

5. 噛んだ時に横から見て位置関係が適正か

(class1 buccal segment relationship)

これは矯正治療をする時によく基準にする位置関係ですが、横から見た時に④で説明した咬頭と窩の関係で例えば凸と凹がかみ合えば理想です。したがって凸と凸がかみ合っている状態は良くない状態です。横から見て歯と歯の間に歯が噛みこむような状態が理想的だと言えます。

6. 上下前歯が噛んだ時に横から見た位置の関係は適正か

(over bite over jet 4mm ,2mm)

上の前歯と下の前歯が噛んだ時に軽く噛み込んだ状態が良い状態です。

強く噛みこむのも良くないですし、全く当たらないのも良くありません。

ここでいう軽くというのは、噛んだ時に10μmの紙が軽く抜け50μmの紙が抵抗を持って抜けるぐらいがいいと言われています。

そしてこの噛んだ状態を横から見た時、上の歯の先端と下の歯の先端の距離において水平的な距離関係をオーバージェット、垂直的な距離関係をオーバーバイトと呼びます。

このオーバーバイトとオーバージェットの距離が4mmと2mmだと理想と言われています。(この数値は欧米人の歯のサイズを参考にしているので、日本人だとこの数値よりは少し小さめになります。)

 

teeth-1652976_1280これら①から⑥が全て当てはまっていればその噛み合わせは理想的だと言えます。

もちろんあてはまってないのにしっかり噛み合わせが機能しており異常をきたしていない人もいます。(個性正常咬合)また加齢や病気とともに理想的だった状態が変わってくる人もいます。

私たち歯科医師は噛み合わせの指標を決め患者さんの噛み合わせの状態がどの程度理想に近いか遠いかを診断しています。

噛み合わせについて少し知っていただけたでしょうか。

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