巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

知っておきたい歯ブラシや歯に関する歴史

歯ブラシ歴史.001

こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

私たちが普段生活して使っている歯ブラシ。ふといつから使っているのか気になったことありませんか。歯を磨く習慣や昔の人の歯磨きの習慣について今回はお話しします。

歯ブラシの歴史

紀元前〜6世紀

歯磨きの習慣についての歴史は長く3550年前のエジプト文明から歯を磨く歯磨剤の記録がありました。

2500年前古代インドでは歯ブラシの原型になるものが使われていました。

仏教の始祖、シャカ(お釈迦様)は人々の健康を守るのが自分の役目ということで歯を磨く習慣を広めたと言われています。

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歯ブラシの原型は歯木と言われいわゆる爪楊枝のようなものを使い歯を磨いてました。

歯木にはニームと言われる木が使われ、このニームの樹液には虫歯や歯周病抑制成分があるそうです。

その後インドから中国へ、中国から朝鮮経由でとうとう6世紀頃日本にも歯ブラシの原型が取り入れられました。

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歯木は今では爪楊枝の起源となっています。

パプアニューギニア原生林やアフリカの山奥に住んでいる民族は今でもこのような楊枝を使う習慣があります。

鎌倉時代

歯ブラシと虫歯は切っても切れない関係ですが、虫歯で悩んだ鎌倉時代の著名人もいたようです。

かの有名な源頼朝は虫歯の痛みに悩まされ、家来を京都の医者まで行かせ治療法をきいたという記録があります。

江戸時代

日本ではそれまで歯磨き粉に塩を使っていましたが、このころから歯磨き粉を商人が発売していました。歯を磨く道具は歯木から片方が扇状に広がった木の房、もう片方は爪楊枝のようなピック型の道具を柳の皮を削って製作してました。

これを房楊枝といい、多くの方が使っていました。

浮世絵士の歌川国貞は房楊枝で舌の汚れを取る女性の浮世絵を描いていることで有名です。

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江戸時代、歯が痛くなると口中医とよばれる歯医者さんによって歯を抜歯していました。しかし口中医に診てもらえるのは武士のような身分の高い人だけで庶民が気安く行けるところではなかったようです。

庶民の方は梨の実に名前と痛む歯の場所を書いて川にその梨を流して痛さを流す、という風習があったようです。

風習といえばもう一つ、

抜けた下の乳歯を屋根の上へ、抜けた上の乳歯を床下に投げて永久歯が生えてくるようお祈りする風習もありました。

またこの時代お歯黒といって既婚の女性は歯に鉄を溶かした液体を塗る風習がありました。偶然にもお歯黒の主成分タンニンは虫歯を撃退する成分が入っていたので虫歯の予防効果としても使われてました。

15〜17世紀の中国、ヨーロッパ

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15世紀の中国では豚の毛を竹や骨にくくりつけて作る歯ブラシの原型のようなものが既にありました。またヨーロッパでも王族や貴族に馬の毛や動物の毛を木の柄にくくりつける歯ブラシの原型がありました。どちらが先かは論議されていますが日本にはまだ歯ブラシは伝わっていません。

明治時代

1872年、明治時代になるとようやく日本にも歯ブラシが伝わります。当時の歯ブラシはクジラのひげに馬の毛を植毛したものでクジラ楊枝として使われていました。

1903年に小林富次郎商店(現在のライオン㈱)が「萬歳歯刷子」いわゆる歯ブラシを販売します。

また当時粉歯磨き粉が主流だった時代から1911年初のチューブ式歯磨き剤が普及されます。

歯ブラシの製造業

歯ブラシの製造は大阪八尾市を中心に発展していきました。八尾市では歯ブラシ製造以前は河内木綿という綿花栽培がメインでしたが綿業の衰退と共に副業として始まったのが歯ブラシ製造です。

現在全国の50%以上が大阪府で生産されています。(2016年)

戦後

戦前は歯ブラシの毛が獣毛が主でこれを木などにくくりつけて販売していましたが、戦後ナイロン製の毛とプラスチックによって現在のような歯ブラシの形状になります。

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1948年フッ素入りの歯磨き粉が販売され、1970年ホワイトニングカルシウム配合『WHITE WHITE』が、1981年歯垢除去成分が入ったりと、日進月歩で歯磨き剤の成分に改良が加わっています。

現在日本の歯ブラシの出荷額は400億円にもなります。

歯ブラシは現在3Dプリンターによる製造が主で多様な企画デザインから機能性のある歯ブラシを生産しています。

まとめ

歯ブラシは私たちが普段使っている道具だから少しでも歯ブラシのことを知っていただければと思います。

昔は現代に比べ糖分が低い食事が多かったため現代人と比べると虫歯罹患している方は少なかったようです。

現代は虫歯になる方がかなり増えたのでしっかりとした歯ブラシ、歯磨き指導が大切です。

ちなみに毎月8日は歯ブラシの交換日です。(全日本歯ブラシ工業組合)歯ブラシは常に衛生的で植毛が均一でないといけません。

使い古した歯ブラシは毛先と毛先の間にカビが生えたり、汚れカスが定着します。またまばらになった毛先では清掃効果も減りますし、歯茎を傷つけてしまう可能性もあります。

ぜひ毎月8日に歯ブラシを交換しましょう。

そしてもしご自身の歯ブラシをどういうものがいいのか気になる方は歯科医院で先生に聞いてみましょう。

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