巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

保険治療の白い歯キャドキャム冠(CAD/CAM)のメリットデメリットについて知ってほしいこと

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『先生、銀歯はどうしても嫌なんですが保険治療でできる白い歯ってないんですか。』

『保険治療でも白い歯はできますよ。キャドキャム冠(CAD/CAM冠)と言います。』

『キャドキャム冠?そんなの昔からあったけ?』

『今から3、4年前に保険治療で行えるようになった白い被せ物です。』

キャドキャム冠は聞きなれない言葉ですが、近年日本の保険治療で行えるようになった白い被せ物です。

すべての歯には適応できませんが、今まで銀歯でしか被せられなかった歯が白くできることになりました。

この聞きなれないキャドキャム冠のメリット、デメリット、そして適応症や価格についてお話ししたいと思います。

キャドキャム冠(CAD/CAM冠)

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この写真の中に保険治療で行える白い歯があるんです。

みなさんお分かりですよね。

銀歯の隣の白い歯がキャドキャム冠です。

いかがでしょう。見た目は白くて綺麗に見えませんか。

保険治療でもこのように白い歯を作ることができます。

では一体キャドキャム冠ってなんなのでしょう。そもそもどういう白い歯なのでしょうか。

キャドキャム冠って何?

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キャドキャム(CAD/CAM冠)は

computer aided design/computer aided manufacturing

の略で簡単に言うと、光学スキャナーと3Dプリンター(ミリングマシンという)を活用し歯科用のプラスチックを削り出して製作する被せ物です。

キャドキャム冠手順

①被せ物用に削った歯を光学スキャナーでスキャンします。医院にある場合は型取りせずに口の中でスキャンします。技工所で製作する場合は型取りをした模型を技工所でスキャンします。

②スキャンしたデータ上には削った後の歯の形と、噛み合わせの記録、対合の歯型が残るので、この3つをインポーズしてかみ合うところを読み取ります。(自動的にしてくれる)

③データから被せ物のデザインを行い、コンタクト(歯の隣接面)や咬合ポイントを設計します。

④スキャンで設計したデータをミリングマシンに転送し、3Dプリンターでプラスチックを削り出します。

⑤歯科技工士によって微調整やツヤ出しを行います。

⑥完成です。患者様に装着します。

キャドキャムシステムについてもっと知りたい方はこちらへ

キャドキャムシステムについてもっと知りたい方はこちらへ②

キャドキャム(CAD/CAM)冠はすべての歯にできるの?

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残念ながらすべての歯にキャドキャム冠を入れることはできません。適応として小臼歯部(真ん中から奥の方へ数えて4番目と5番目の歯)が可能です。(2014年)

また5番目より奥にある歯(大臼歯)でもキャドキャム冠はできますが、その場合内科などで金属アレルギーの診断書を提出する義務があります。(2015年)

(第一大臼歯でも保険治療でキャドキャム冠が作れるようになりました。条件あり2018年)

前歯にはキャドキャム冠以前から硬質レジン全装冠という白い被せ物が存在します。強度や色調を考えるとキャドキャム冠よりこちらの方がオススメです。

またキャドキャム冠はインレー、つまり部分的な詰め物にはできません。あくまで歯に被せるものが対象基準になります。

キャドキャム冠ってどこの歯医者さんでもやってくれるの?

キャドキャム冠は残念ながらすべての歯科医院では行えません。キャドキャム冠を提供するにあたり、厚生労働局へ申請の手続きをしなければなりません。申請書にはキャドキャム冠を製作してくれる技工所の名前を書かなければなりません。

申請さえすればキャドキャム冠は製作できます。

キャドキャム冠っていくらぐらいするの?値段のこと

キャドキャム冠は保険治療でまかなうことができますので自費治療よりも低価格で製作できます。

保険負担3割の方で削ったり型取りするのに2〜3000円以内します。

出来上がった被せ物を歯に装着、セメントでつける時にはだいたい6000円以内

合計9000円前後の治療費がかかります。(値段は小臼歯の場合で他併行して治療している場合は上記以外にかかります。)

キャドキャム冠のメリット、デメリット

メリット

やはり今まで保険治療で銀歯だった歯が白くなったことは大きいメリットなのではないでしょうか。

キャドキャム冠の入る小臼歯の場所はちょうど人が笑った時に被せ物が見えるか見えないかの場所なのです。

小臼歯部が銀歯の場合笑顔の印象が暗くなってしまう恐れもあります。

笑っても銀色の歯がないことは特に若い男性、女性には大いにメリットですよね。

デメリット

キャドキャム冠のデメリットですが大きく分けて3つのデメリットが挙げられます。

①被せ物がプラスチックなので強度的に??なこと

プラスチックは歯科材料の中で一番強度的に弱い材料です。

キャドキャム冠で使われているプラスチックはそれでも硬めのタイプですが、使っているうちに磨耗が生じます。

歯ぎしりや食いしばりが激しい方の場合はすぐにすり減ってしまうためキャドキャム冠はお勧めできません。

また硬い歯ブラシで強くこするとキャドキャム冠に傷がつきます。

正しい噛み合わせを構築するために小臼歯部にプラスチックの被せ物を入れることは慎重に考える必要があります。

②被せ物がプラスチックなので衛生的に??なこと

プラスチックのデメリットとして吸水性、プラークの沈着率が挙げられます。

プラスチックは水を吸収するので将来的に汚れてしまったり、着色してしまうことが起こります。

また歯ブラシなどで傷ついたキャドキャム冠の溝にはプラークがつきやすくなります。

二次むし歯にならないよう定期的な観察が必要です。

③被せ物がよく外れる

2014年から始まったキャドキャム冠ですが、キャドキャム冠を保険治療で入れた患者様の予後を見ると、通常の銀歯のかぶせに比べキャドキャム冠の脱落率(外れる)が大きくなってます。

被せ物と歯の接着システムが重要な鍵になると考えられます。

しっかりした接着システムが必要です。

プラスチックが嫌な方はジルコニアでかぶせを作りましょう。

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保険でできる白い歯でも噛み合わせが強かったり、強いブラッシングが見受けられる場合はキャドキャム冠をあまりお勧めできません。

しっかり将来的なことを踏まえると強度性のあるジルコニアの被せ物がお勧めです。

ジルコニアについてもっと知りたい方はこちら

まとめ

いかがだったでしょう。保険の白い歯、キャドキャム冠。

歯科医院によってできない医院もあるので、キャドキャム冠を希望の場合はあらかじめ担当の先生とご相談されることをお勧めします。

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