こんにちはヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
「そういえば会社の歯科検診で虫歯があるって言われたなあ。でも痛くないからもう一年くらい放置しているなあ。」
と長い間虫歯を放置されている方へ
虫歯が３本以上ありそれらをずっと放置していると噛み合わせが悪くなります。
「あれ最近あごが痛いなあ、口の開け閉めが辛いなあ」
と感じている方、要注意です。
今回はひどい虫歯で噛み合わせが悪くなってしまった！
についてお話しします。
目次
ひどい虫歯は噛み合わせも悪くしてしまう？
虫歯と言っても歯の表面に出来た小さい虫歯から、歯そのものがすでに無くなってしまう大きな虫歯まであります。
あなたのお口の中に虫歯で大きく欠けてしまった歯が二本以上あれば要注意です。
すぐには症状には出てきませんが噛み合わせに何らかの影響が起こります。
（奥歯がひどい虫歯の写真）
（全ての歯がひどい虫歯の写真）
なぜひどい虫歯で噛み合わせが悪くなるのか？
ひどい虫歯でも前歯の表面にある虫歯よりも奥歯が大きく欠けている方には噛み合わせが悪くなる傾向があります。
あごが本来の場所で噛まなくなる
虫歯が多くなると噛める歯が少なくなり顎は本来の場所とは違う場所で噛むようになります。
また虫歯で歯が痛い場合はそれを避けるようにして噛みます。
最初は違和感がありますが次第に避けて噛んでいる場所が本来噛む場所のように感じてきます。
この現象はエングラムといい脳が「ここがもともと噛んでいる場所だね」と認識してしまいます。
顎関節の痛み
人にもよりますがひどい虫歯になってすぐ顎関節（耳の前あたりあごの開け閉めするところ）に痛みが出てくる方、全く痛みが出てこない方がいます。
虫歯を避けて噛む場所は本来の噛む場所ではありません。よってあごは常にねじれた状態で噛むことになります。
顎関節（耳の前あたり顎の開け閉めをする場所）に負担がかかってコキコキなったり、じゃりじゃりなったり、口の開け閉めが億劫になります。
また口周りの筋肉がだるく、顔がゆがんだり、首、肩こりが起きてくることもあります。
噛み合わせが悪くなってても痛くないんだけど。
ひどい虫歯でも全くあごに痛みなど感じない方もいます。
特になんの症状が出ていなくても要注意です。あごの骨がどんどんすれてしまって形が小さくなってしまう場合もあります。
ひどい虫歯を治療するには？
ひどい虫歯を治療するためにはまずもともとの顎の噛む位置を定める必要があります。
一つ一つ虫歯を治療していてもその差し歯や詰め物は本来の噛む位置ではなく現在噛んでいる位置を参考に作られます。
その結果、虫歯治療が終わったのに
「あれ？あごが痛いな。噛み合わせがずれているのかな」と感じることもあります。
仮歯で様子を見てから差し歯を作る
まずは上下の歯があったであろう本来の場所を探し、すぐに差し歯を作るのではなくまずは仮歯で様子を見ます。
そしてあごや筋肉、噛み合わせに問題なければ差し歯を作ります。
一本一本差し歯を部分的に作るとせっかくの噛み合わせがずれてしまう場合があるので上下の前歯ごと、左右の奥歯ごとなどいっぺんに作ります。
（ひどい虫歯、治療前の写真）
（ひどい虫歯治療、仮歯の写真）
ひどい虫歯の治療期間はどれくらい？
ひどい虫歯の治療は患者さんによって異なります。矯正治療が必要な方。抜歯が必要でインプラント治療をする方など人によって様々です。
また歯があった頃の本来の噛む位置が簡単に見つけられる方とそうでない方もいます。
仮歯の状態であごが慣れるまで最低でも６か月必要だとも言われています。
歯が失われてひどい虫歯になった期間はおそらく１年２年ではないですよね。治療にもある程度の期間が必要です。
まとめ
「ひどい虫歯になっても痛くないし特に支障はないよ。」と感じている方。
今はなんともないですが、あごや歯に異常がおきた時には手遅れになるかもしれません。
虫歯があるなら早めに治療しましょうね。
