こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
アブフラクションって何でしょう?
聞いたことない名前ですが、噛み合わせで起こる現象の一つで、多くの患者さんで見られます。
今回は噛み合わせによって起こる現象、アブフラクションについてお話ししたいと思います。
目次
歯の生え際が欠けるのはなぜ?アブフラクションについて
歯が欠けて歯科医院で治療をすることは多いと思います。
特に歯の側面が欠けてくる方は多く、このような場合の多くは歯科用プラスチック、コンポジットレジンで即日で治療できます。
歯の生え際がくさび形に欠けているのが特徴です。
歯医者さんや衛生士さんからは『欠けているのは虫歯ですので早く治しましょう。』や『硬い歯ブラシを使いすぎて歯が欠けてしまいましたね。欠けているところを治しましょう。』
と説明を受けていると思います。
実際に虫歯になる方や硬い歯ブラシの使いすぎにより起こる方もいらっしゃいますが、歯が欠ける主な原因は噛み合わせによるものだということを知っていただければ幸いです。
ではなぜ噛み合わせによって歯の側面の部分が欠けるのでしょう。
アブフラクションがなぜ起こるのか
アブフラクションは噛み合わせが強い方によく起こります。
歯の成り立ちは真ん中に歯髄という神経、それを覆う象牙質、外側にはエナメル質があります。
歯の外側にあるエナメル質はリン、カルシウムで出来ている非常に強い構造で出来ています。
強い力を歯が受けるとエナメル質がその圧力を受け止めますが、歯の中で一番薄いエナメル質があるところに一番力が加わります。
歯が噛む面(咬合面)のエナメル質は非常に厚く頑丈で、強い圧力に耐えられます。
一番エナメル質が薄い場所は歯の生え際の場所です。
噛む力が強いと応力がこの薄い場所に集中してしまいエナメル質が欠けることがあります。
これがアブフラクションの成り立ちです。
歯が欠ける度合いは噛む力によって変わっていきます。非常に強い力で噛む方は歯の側面だけでなく咬合面も削れてしまい歯に黄色の部分が見えてきます。
この現象はエナメル質が擦れてなくなり、第二層の象牙質が現れてきたことを意味します。
Q でもそんなに強く私かんでませんけど?
はい 私たちが強く噛んだところでそんなに歯はもろくないですよね。 ぐっと噛んで歯が欠けることは普通ありえません。
実は歯が欠けるほとんどが夜寝ている間の歯ぎしりによって起こるのです。
歯ぎしりの力はぐっと噛んだ状態の2倍以上
私たち人間が思いっきり噛んだ状態と夜寝ている間の歯ぎしりの力を比較した時、夜の歯ぎしりの力の方が圧倒的に強かったという研究があります。
歯ぎしりは夜寝ている間、意識がない状態で起こります。
強い力で寝ている間に歯にダメージを与えるのです。
歯ぎしりは歯を横からダメージを与える
歯は縦の力、垂直方向の力に対しては受け止める能力があるのですが、横から与えられた力に対しては弱いのです。
電信柱と同じで台風や嵐で曲がったりするように、横から強い力を受けると歯もダメージをもらいます。
歯ぎしりはただ強く噛んだだけの縦の力だけでなくギリギリと横の力を多く受けます。
アブフラクションの治療法
歯の側面が欠けた度合いによって治療法は異なります。また噛み合わせの対処を行わない限りまた同じことが起こります。
何度もなんどもプラスチックが欠けてくるのはこのことが原因と言えます。
軽度の場合
歯のかけ方がほんのすこしの場合は経過観察をします。知覚過敏の症状が出た場合はしみ止めを塗ったりして様子を見ます。
この時にでも噛み合わせをしっかり見ることで今後の対策を診断します。
中度の場合
歯がある程度欠けた場合、欠けた場所が衛生的に虫歯になりやすいこと、しみやすくなることを理由にプラスチックで欠けた場所を補修します。
患者さんには噛み合わせによるものだということをしっかり説明し、噛み合わせを保護する役割でマウスピースを作り対応します。
重度の場合
歯の欠けている度合いが大きく、欠けている歯が多い場合は咬耗症を疑います。
重度の場合、プラスチックでの治療をしても外れる頻度は高くなります。
噛み合わせの検査を行ったり、場合によっては咬合再構成(噛み合わせ治療)が必要になります。
マウスピースでも噛み合わせの保護の対応をします。
歯の側面が欠けた場合の予防ケア
アブフラクションが出現したらまず硬い歯ブラシはやめるべきです。
柔らかい毛先の歯ブラシでプラスチックを削らないよう注意してブラッシングしましょう。
また歯ブラシのグリップは大きいものより小さい方が力は加わりません。
歯磨き粉は研磨剤の入ったものより、研磨剤無配合のものを使いましょう。
シュミテクトは知覚過敏を抑えるものなのでオススメです。
まとめ
歯が欠けたと感じたらまず担当の先生にご相談ください。
アブフラクションが小さい場合、様子を見ることが一番ですが、症状が出たり、気になるようであればプラスチックを詰める場合があります。
その代わり歯を多少削らなければならないのが難点です。(プラスチックが外れないようにするため)
アブフラクションの治療はただプラスチックを詰めるだけでなく噛み合わせの状態を継続的に診断することが重要です。
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