親知らずが生えてきたら必ずしも抜歯しなければいけないわけではありません。
あなたの親知らずが抜歯したほうが良いのか、それとも抜歯しないほうがいいのか
知っておきたい知識についてお話ししたいと思います。
目次
親知らずを抜いたほうがいい?抜かないほうがいい?
Q 親知らずは全て抜いたほうがいいのでしょうか。抜かないでおいたほうがいいのでしょうか。
A 答えは抜いたほうがいい場合と抜かなくてもいい場合があります。
つまり抜かないことによって将来的に何かしらのトラブルが起きたり、痛みが取れなかったりする場合は積極的に抜くことをお勧めします。
抜かないことで将来的に問題にならない場合や何かに活用できる場合はいますぐ抜くことをお勧めしません。
それぞれについてもう少し細かく掘り下げていきましょう。
親知らず抜いたほうがいい場合
親知らずを積極的に抜いたほうがいい5つの場合があります。是非チェックしてみてください。
①虫歯が大きくあり痛みを伴う場合
親知らずは歯ブラシが届きにくいところで、どうしても磨き残しなどが起こりやすく虫歯のなりやすいところとして扱われています。
よく私たち歯医者さんがみかけるのが親知らずの側面、後面の虫歯です。
歯ブラシをしようとすると口を開けたままではブラシが到達しないのでもし親知らずまで綺麗に磨きたければ歯ブラシの柄を口の中に入れたら少し口を閉じ気味にすると磨きやすくなるので是非やってみてください。
残念ながら大きな虫歯ができてしまった方。
抜歯以外の治療としては神経を取る治療が必須になりますが、神経を取る治療を行うにあたり、一番奥の歯なので患者さんによっては器具がしっかり到達できない方もいます。
つまり神経の治療の難易度が上がり、結果不十分な治療のまま歯を残す可能性が高くなります。
また被せ物などによって対応したとしても、歯ブラシが十分行えない環境は変わりないので結果、虫歯になりやすくなります。
虫歯が大きく神経を取る必要がある親知らずに関しては、器具が十分に到達できないことも含めて抜歯していただくことをお勧めします。
(器具が十分到達し、まっすぐ生えている場合を除く)
②親知らずの向きが斜めになっていて噛んでいない場合
親知らずが斜めになっていて対合の親知らずと噛んでいない場合、まずはとしての機能がないと考えてください。
またそのまま残しておくことで、隣の歯(第二大臼歯)に虫歯ができやすかったり、物が挟まりやすく歯周炎になる可能性が出てきます。
もし隣の歯に虫歯ができ始めたり、歯周ポケットが出来始めたら、抜歯することをお勧めします。
ただし斜めにはえてる親知らずを活用する場合もあります。
③親知らずが隣の歯を押していたり横にはえている場合
親知らずが隣の歯に傾いていたり、横に生えていたりして隣の歯がつっかえ棒のようになっている場合があります。
このような時は隣の歯(第二大臼歯)が押されて伸びてきたり、移動することがあります。
また親知らずと第二大臼歯の間に物が挟まったり、虫歯になりやすい環境が生じます。
親知らずを抜かなかったがために第二大臼歯に大きな虫歯ができ神経治療が必要になった方もいます。
歯周病が感染したため結局親知らずを抜いた後の第二大臼歯には全くサポートする骨がなくなりグラグラと揺れている方もいました。
歯と歯の間に虫歯や歯周病の予兆がある場合は早めに抜かれることをお勧めします。
隣の歯(第二大臼歯)のために。
④親知らずが何度も何度も腫れてしまっている場合
親知らずの周りにはリンパ隙と呼ばれている隙間がたくさん存在します。
このリンパ隙には虫歯の膿や歯槽膿漏の膿、また親知らずの炎症が波及しやすいのです。
親知らずを無理に残すことで炎症が首あたりや目の辺りまで波及してしまうと日常生活に支障をきたしてしまいます。
何度も腫れてしまっている方は無理に残すことから早く抜歯する方へ意識を変えていただくことをお勧めします。
⑤矯正治療を受ける場合
矯正治療をされる方、必ずしもそうではありませんが、治療プランによっては親知らずの抜歯が必須になる方もいらっしゃいます。
その理由として歯を奥に移動させたい場合がこれに当てはまります。
例えば出っ歯の人を治す時に歯を抜いてその隙間を使って出っ歯を治療する方法もありますが、親知らずの方へ歯全体を引っ張って奥に引っ込めるという治療プランもあります。
後者の場合は親知らずを抜いてそのスペースを使って歯を奥に引っ込めます。
また歯全体の並びを広げたい時などは親知らずがつっかえ棒になってうまくいかないこともあるため治療により抜歯を進めることがあります。
まとめ
親知らずを抜歯したほうがいい場合、少しわかっていただけたでしょうか。
抜歯は痛いし、怖いし、なるべくならそのままにしたほうがいいとは誰しも思いますが、今日書かれたような症状や状況がある場合は抜かれることをお勧めします。
特に隣の歯(第二大臼歯)は噛み合わせの歯として大事な歯なので、虫歯や歯周病にならないよう気をつけましょう。
次回は親知らずを抜かなくてもいい場合や親知らずを利用した最新治療についてお話しします。
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