こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
インプラントやブリッジの治療に踏みきれなくてどうしても何か他の治療をお探しの方。必見です。
歯を削らずに歯を入れられる方法をご紹介します。
目次
ウェルデンツ
インプラント治療や両隣りの歯を削って被せるブリッジ治療に抵抗がある方。そして入れ歯に対しても抵抗がある方の新たな選択肢としてウェルデンツの治療をご紹介します。
ウェルデンツは全く新しい樹脂の加工で開発された入れ歯です。
入れ歯特有のピンク色の部分がなく非常に小さいので装着時の違和感もありません。
また両隣りの歯も削ることなく歯の寿命に考慮され、そしてインプラント治療のように大掛かりな手術などもありません。
着脱もしやすく、また普通の入れ歯のように使ってるうちに汚くなることがありません。
ウェルデンツをより知っていただくために
まずはそれぞれの治療のメリットデメリットについてご説明します。
インプラント治療
インプラント治療は1960年代にDr.ブローネマルクが始めた治療で、骨とチタンが結合することから、骨の中にチタン製のネジを埋入させその上に被せ物を入れて歯として代用させる治療法です。
インプラント治療のメリット
インプラントは両隣の歯を削ったり、また負荷を与えることがないため歯の代用として活用できます。歯が生まれ変わって生えてきたような感覚で、違和感もありません。インプラントの歴史も50年ほど経ちますので予後はいいと言えます。
インプラント治療のデメリット
インプラント治療を行う場合外科手術が必要になります。重度な内科系疾患がある方でできない場合もあります。また保険外治療ですのでコストがかかります。
抜歯をした後インプラント治療を予定している場合、骨が出来上がるまで待機する場合があります。しっかりと骨が出来上がってからインプラントのネジを埋入し3か月〜6か月後の被せ物を製作します。そのため抜歯をしてから1年後に歯が入る場合もあります。
ブリッジ治療
ブリッジは歯がないところの両隣の歯を削って3ユニットの被せ物を接着剤でとめます。歯がないところはポンティックとよばれるダミーの歯が入りまるで歯が生えたように見えます。
ブリッジ治療のメリット
ブリッジ治療の場合、保険治療も認められており、抜歯後大抵2〜3か月後に製作が可能になります。少数歯の歯がない症例の場合、インプラント治療が普及する以前はブリッジ治療が主流でしたので、いわゆる指し歯が手軽に入ることができます。
ブリッジ治療のデメリット
歯がない両隣の歯を削らないとなりません。また歯がない場所の両サイドに歯が一つでもない限りブリッジ治療はできません。
ブリッジの歯と歯の距離が長い場合その歯にかかる負荷が強くなります。歯が複数ない場合は両サイドだけでなく補強のためにさらに歯を削ることもあります。
入れ歯治療
入れ歯は歯がなくなった場所に着脱式の装置を入れる治療です。夜は必ず外して清掃する必要があります。
入れ歯治療のメリット
保険治療でも行える比較的リーズナブルな治療です。両隣の歯を削ることもありませんし、大掛かりな出血処置もありません。また抜歯後歯茎の形が治り次第治療が可能です。平均で抜歯後2か月くらいから制作できます。
型取りをして1、2週間で制作が可能です。
入れ歯治療のデメリット
義足や義眼と同じように口の中に異物を入れて生活を行うということですので、やはり違和感が強いです。食事をするにあたり柔らかいものから硬い物へ慣れていくことが必要です。 また保険の入れ歯の場合留め金が金属なので笑った時に見栄えが悪くなります。
そして毎度取り外して洗わなければなりません。夜は外して薬液などに漬けて入れ歯を綺麗に保つ必要があります。
ウェルデンツの特徴
ウェルデンツはどうしてもインプラント治療、ブリッジ治療、そして保険の入れ歯治療が嫌な方にオススメな方法です。
インプラント治療のようにコストもかからず、そして外科手術も行いません。ブリッジ治療のように無駄に歯をたくさん削る心配もありません。入れ歯のように留め金が金属でもないですし、ピンク色の入れ歯部分もありません。
この図の白い引っ掛けが留め金の役目をします。
弾性素材ですので歯に優しくできています。また入れ歯洗浄剤は基本必要ありません。
通常入れ歯の場合床と呼ばれる歯ぐきに接触するピンクの部分が必要ですがこのウェルデンツではピンク部は使用しないので比較的小さくて装着した時の違和感が感じづらいです。
ウェルデンツの制作手順
- 抜いた後の歯茎の部分が整っているのを確認します。抜歯をした後は最低2か月くらい(歯茎が治るため)待つ必要があります。
- 歯がない部分とその対合の歯型、噛み合わせの型をとります。とった資料を技工所へ送ります。
- 完成したウェルデンツが送られてきます。歯のない部分につけて終了です。
ウェルデンツ使用の注意点
ウェルデンツの適用は基本的なブリッジの設計と似ていて両サイドに歯がちゃんと残っていて歯が2本か1本ない方が適応になります。
それ以上歯がない場合はガタつきが生じたりして床(ピンク部)が必要になります。
また両サイドどちらかに歯がない場合は基本的にできません。
プラスチックの樹脂で作られているので硬い歯ブラシをこすりつけると傷が出る場合があります。
熱い熱湯で変形します。カレーや色素系のもので変色する場合があるのでこまめに洗うことをお勧めしています。
まとめ
ウェルデンツのこと少しは理解していただけたでしょうか。大概な治療法ではどうしても考えられない場合、新しい治療の選択肢として考えても良いのではと思います。
また先天性欠損(元から歯がない方)や歯と歯の間にスペースがある方で他に治療法を探している方にでもこの治療をお勧めしております。
歯科材料は近年新しい材料が続々と開発されています。引き続き次世代の治療について情報を発信できたらなと思っております。
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