巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

歯が欠けやすい方,擦り減りやすい方の5つの特徴

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

 

歯をしっかり磨いているのに、また歯医者さんの定期検診にも行っているのに歯が欠けてどんどんなくなっていったり、歯がすり減って以前より歯が短くなってきた方いませんか。

あるいは一度つめた銀歯が何度も外れてしまう方や白い被せ物が壊れる頻度が高い方も然り。

今回は歯が欠けやすい方、すり減っている方の5つの特徴と予防策をお話しします。

咬耗症(tooth wear assessment)

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噛み合わせによって歯の大部分がすり減ったり、歯が短くなる現象を咬耗症といいます。

歯同士が噛み合うことでお互い磨耗してしまう現象で歯を守るエナメル質の大部分がなくなっているのが特徴です。

噛み合わせの力がとても強く、男性の方で顎がしっかりしている方に多いと言われています。

咬耗症の特徴5つ

咬耗症についてはアメリカの歯科医(Drフランクスピア)は5つの特徴を論文で発表しています。

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① 著しい咬耗

咬耗は非常に多くの場所で見られ、前歯、奥歯ともに歯の外形を逸脱するまで削れる場合もあります。歯の表面を覆うエナメル質もなくなり象牙質(第二層)が多く露出するので知覚過敏の症状が出やすいです。

 

② 噛みこんでいる歯の咬合面がフラットでワイド

通常歯は山と谷で噛みこんでいます。山のことを噛む頭とかいて 咬頭 と呼び、谷のことを対窩と呼びます。

咬頭対窩の関係がしっかり噛みこんでいることで理想的な噛み合わせが得られます。

しかし咬耗症の場合、大部分がすり減っているのでかつてあった咬頭や窩はなくなりフラットな咬合面になっています。

フラットな歯同士が噛むことで咀嚼能力も落ち、定点のない場所で噛むので噛み方が一定ではありません。

 

③ 顎関節に異常がない

意外にも顎関節には異常がありません。

顎がしっかりしている方が多く顎周りの筋肉量も多いタイプの方が主です。

④ 被せ物や銀歯が壊れやすく外れやすい

被せ物や銀歯をしていても全体的に咬耗が進んでくるとこれらが外れやすく、また壊れる頻度が多くなります。

特に治療で使用する仮歯の装着やプラスチックでの治療では容易にプラスチックが剥がれやすく壊れてしまいます。

セラミックも十分な厚みを確保できないとすぐに壊れます。

⑤ 揺れている歯はあまり見られず歯周病も少ない

これも意外ですが咬耗症の方では歯周病患者は少ないのが特徴です。

歯の周りの組織は健康な歯茎を持っている方が多数です。

咬耗症では歯が破折しやすかったり歯の根の病気が治りにくくなりこれらの細菌が歯のまわりに感染する場合はありますが、歯自体に歯周病が感染する傾向はないです。

治療

咬耗症の多くは全体的に歯がすり減った方が多いため、部分的な詰め物の治療はその維持形態に留意しないと容易に外れたり破損してしまう詰め物になりかねません。

被せ物を作る場合には、そのままの噛み合わせで治療するか、すり減ってしまった分だけ噛み合わせを上げるか、十分な診断と分析が必要です。

もし噛み合わせを上げて治療したとしても、被せ物がどんどん壊れてしまう場合も十分にあり得るからです。

これは非常に難しい治療だと言われています。

予防

① マウスピースの使用

マウスピースを着用することで夜寝ている間の歯ぎしりやくいしばりを軽減します。

さらに歯がすり減ってしまうことを防止します。

② 認知行動療法(常に意識してあげること)

歯ぎしりやくいしばりがいつ起こっているかを意識することで改善できます。

夜寝ている間は難しいと思いますがパソコンで集中している時、考え事をしている時など、ふと日中歯ぎしりをしていないかを意識してみることが大事です。

③ 咬筋マッサージ

咬耗症の方の特徴として顎の筋肉が発達している方が多いことが挙げられます。

顎周りの筋肉で特に咬筋(アゴの表面、ぐっと噛んだ時に頬張った筋肉)が発達しています。

咬筋に手を添えて時計回りに10回、噛んで反時計回りに10回マッサージすることで顎の筋肉がリラックスします。

顎が張っている方は何回か繰り返すことをお勧めします。

④ ボツリヌス菌注射

ボツリヌス菌を咬筋に注射することで3〜6か月ほど咬筋の働きを抑えるという治療です。

ボツリヌス菌注射では咬筋付近の顔面神経や表情筋も麻痺する場合もあるのでリスクを踏まえて治療を検討してください。

まとめ

歯がすり減ってしまったり、だんだん欠けてなくなってしまった方、まずは歯科を受診していただくことをお勧めします。

歯を大きく削って被せ物治療をするか(全顎治療)部分的に詰めていく治療にするかはしっかりと診断をしていただき両方の治療のメリットとリスクを踏まえて治療していただければと思います。

何れにしてもこれ以上歯がすり減ったり欠けてしまうことを軽減するためにマウスピースは使用していただくことをお勧めします。

また日頃の咬筋マッサージや意識(認知行動療法)をすることで軽減することも大いにあります。

セルフケアの場合はもちろん治療費は0円!ですのでまずは試していただければと思います。

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