こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
治療で行かれた歯科医院で被せ物が合わなくてもう一度作り直したことありませんか?
またつけた時は合っていたのが何年か経って合わなくなってきた・・・という経験はありませんか?
ここではなぜ被せ物が合わないのか、また後々合わなくなってしまうのかをご説明します。
目次
被せ物が合わなくなる原因
被せ物製作段階で起こる原因
歯を一本作るのに様々な作業過程があります。
歯の型をとり、噛み合わせの型をとり、また対合になる歯の型をとります。
その後、歯型は歯科技工所に運ばれ歯科技工士と呼ばれる歯を作る職人さんの元で製作されます。
製作された被せ物は医院に納品され接着剤で固定されます。
この工程の途中で一つでもエラーがおこると被せ物は合わなくなるのです。
歯型の型取り段階でおこるエラー
まず歯型の型をとる場合アルジネートと呼ばれるピンク色の素材で歯型をとりますが、この時固まっていない状態で撤去したり、舌や粘膜の動きで少しずれたりした時点で歯型は変形します。
歯型を取った後、石膏を流し込み模型を作成します。
この時石膏を水に混ぜて固めますが、石膏粉と水の比率が重要になります。
水の量が多すぎたり少なすぎたりすると模型の大きさに微妙な差が出てしまいます。
また噛み合わせの型をとる時に、いつも噛んでいる所とずれた箇所で噛んでしまった場合、その噛み合わせを参考に被せ物を作るので被せ物を装着しても被せ物の高さにずれが生じます。
技工作業でおこるエラー
うまく歯型が取れた状態で今度は歯科技工所で被せ物を製作します。
歯型を咬合器につけ技工士さんはワックスで設計します。
被せ物の縁(以下マージン)を設定しますが、設定を誤ると隙間が空きすぎたり、マージンが被せ物よりはみ出てしまいます。
設定マージンが実際よりもオーバーすることをオーバーマージン、実際より足りないことをアンダーマージンと呼びます。
ワックスで歯の外形を作りそのワックスの型に、例えば金属の歯の場合は金属を、セラミックの場合はセラミックの元となる粉(二酸化ケイ素など)と液を流して焼き、詰め物が出来上がります。
最近主流になる素材ジルコニアでは3Dコンピューターで削り出します。
機械の温度や材料の量や質などによりエラーもありますが、製作工程で大事なのはその設計デザインです。設計のミスが被せ物の適合を悪くします。
被せ物をつける段階でおこるエラー
うまく歯型が取れ、正確に被せ物が出来上がったとします。
この段階で的確につければ全く問題ないのですが、出来上がった被せ物を口の中に入れた状態で微調整を行います。
微調整の段階で被せ物を削りすぎたりしてしまうと歯の隙間がスカスカになり物がつまりやすく、また被せ物が低くなりすぎる場合があります。
低くなった被せ物は違和感はないのですがその両隣の歯に負担を与えます。
また被せ物をつける際にセメントでつけますが、セメントが多すぎたり、半分固まった状態でつけると被せ物が浮き上がり、噛み合わせが高くなります。
セメントでつけている最中も水や唾液が入ると部分的にセメントが流されてその部分に隙間が生じていきます。
もちろんずれた状態で装着した場合も当然適合しません。
最新歯科治療での適合は?
CAD/CAM(キャドキャム)という言葉を聞いたことありますか。
最近世界的にも普及してきた機械で、歯の被せ物を型取り材なしでしかもその場で被せ物を製作できる機械です。
従来はアルジネートで歯型をとる時に嗚咽したり、不快に感じることもあったと思います。CAD/CAMでは光学印象と呼ばれるカメラを歯に数秒当てるだけで噛み合わせ、対合の歯、被せを作る歯のデータが取れます。
カメラに取り込まれた画像を3Dプリンターに送り被せ物をその場で削り出して製作する方法です。
世界的にも普及している治療法ではありますが、これも適切なデザイン設計が重要です。
コンピュータ上の設計を誤ってしまうと適合しない被せ物が出来上がってしまいます。
また2016年現時点でのCAD/CAM治療はパーフェクトとは言い難く、特に前歯を製作する場合の色味では歯科技工士にかないません。また製作上合わない被せ物が出来上がったとしてその原因を追求することができません。(機械自体が悪いのか、設計デザインが悪いのか、そもそも歯の状況が悪いのか、など)
まとめ
今回は製作段階に起こる被せ物のエラーについてお話ししました。
次回は被せ物をつけたときは良かったのに後々悪くなってしまった原因とそうならない対策についてお話しします。
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