こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。
親知らず。皆さんも痛い思いをして抜かれた方や、またこれから抜かれる方もいらっしゃると思います。
最近芸能人のAKB48の指原さんも抜歯をされたようですね。
しかも4本同時に。
4本の親知らずを一度に抜歯するのは歯科医院ではあまりよく聞きませんが、一度に親知らずを複数本抜けることはできるのかについてお話ししたいと思います。
目次
指原梨乃さん親知らずを4本抜歯について
(引用 https://twitter.com/345__chan)
4本を1度に抜歯することは滅多に歯科医院では行わないことですが、スケジュールがその日しか空いていないみたいだったらしく4本抜いたようですね。
4本を全て抜歯するためにはそれぞれに麻酔をしてそれぞれに出血を伴う治療をしないとなりません。
人によっては出血が多くこれが4か所から起きるので、食事や抜歯当日の行動に制限があったのでないでしょうか。
また感染の恐れも4倍になるので相当大変だったのではないでしょうか。
案の定、数日後指原さんも親知らずの抜歯によって顎が腫れたみたいですね。
(引用 https://twitter.com/345__chan)
親知らずの抜歯を複数歯抜くのはいいの?
親知らずの歯を抜歯すると出血が起きたり、また抜歯後数日間は抜歯した場所が空洞になり感染しやすくなります。
そのためなるべくリスクを軽減するため抜歯は基本1回1歯がベストです。
『では複数の親知らずを抜くことは難しいの?』
については複数でも可能だと思います。
しかしそのためには事前に抜歯した後に起こるリスクについて知っていただき了承していただく必要があります。
親知らず抜歯後のリスクって何?
①出血が止まらないことがある
歯を抜歯した後、歯肉から出た血が、抜いた場所に入り込み1日かけて血餅と呼ばれる血のかさぶたに置き換わります。
しかし血圧が高い方や、歯肉からの出血量が多い方、血流の早くなる行動(お酒、サウナ、スポーツ)などをされた方は血のかさぶたに置き換わらず血がずっと出て止まらなくなります。
事前にしっかり注意事項を知る必要があります。
②抜歯したところに感染することがある
抜歯をすると抜歯した場所が空洞になりますが免疫がなかったり、①の血餅がなかったり、また抗生剤を飲んでいなかったりすると空洞(抜歯した穴)に細菌が入り込み感染することがあります。
血餅がなく抜歯した穴が露出することをドライソケットと言います。ドライソケットは感染しやすい状態と言えます。
抗生剤や消毒で様子を見ますが、感染状態がひどい場合はもう一度抜歯した所を掃除して新しいきれいな血液でかさぶたを作る治療があります。抜歯後再搔爬と呼ばれています。
③顎や舌が痺れることがある
抜歯の治療中、麻酔針や治療痕によって筋肉や舌の動脈、神経を傷つけてしまう場合があります。たいていの場合は一過性のもので痺れは一時的ですが、親知らずの位置がそれらに近接している場合は注意が必要です。
④顎が開けにくいことがある
抜歯をした後に細菌が周囲のリンパ節や骨の隙間に入り込むと筋肉の開口運動(口の開け閉め)に障害が起こります。
これは抜歯前にも起こることですが抜歯した後に感染すると開口障害も起こります。
⑤神経が麻痺することがある
下顎の親知らずの根の近くには下歯槽神経(下顎神経)と言われる顎を司る大きい神経が走行しています。
この神経に親知らずの根が絡まっていたり、接していたりすると抜歯の際中に損傷するリスクがあります。
その結果顎の神経が麻痺してしまうことがあります。
あまりに接している場合はCTなどを撮ったりして神経に接する状態を観察しながら注意深く抜歯します。
基本的には一度に一本の抜歯が安全
基本的に親知らずは上記の抜歯後のリスクがあるため1来院につき1歯の抜歯をお勧めします。
しかしどうしてもいっぺんにたくさん抜いてもらいたい方は、抜歯をする親知らずの状態を見て複数本抜けるかどうか決定します。
例えば下顎の親知らずが両方とも横に萌えていて歯茎の中に埋まっている埋伏歯の場合、歯肉を切ったり縫ったりまた歯を分割して抜歯しなければならないため相当な治療時間が必要です。
対してまっすぐ萌えている歯でしかも歯の根の形がまっすぐ1根ですと非常に簡単に抜歯が行えます。
つまり親知らずが4本ともまっすぐはえて単根(歯の根が1つ)であれば比較的短時間でスムーズに抜歯が行えます。
どうしても複数本の抜歯をしたい方は片側2本がお勧め
治療の期間が患者様の中では限られる方もいらっっしゃると思います。その場合右側上下か左側上下の親知らず抜歯のような片側治療をお勧めします。
理由として腫れたり痛みが出るのが抜歯した片側のみなので反対側の歯を使って食事ができやすいということです。
左右の親知らずを抜いた場合、右も左も痛みが出たり、腫れたりする可能性があります。抜いてから落ち着くまでの1、2週間食事が柔らかいものしか噛めない可能性があります。
無痛治療法の静脈鎮静で4本を抜歯する
左右上下の親知らずが横にはえてたり中に埋まってたりした場合、1本を抜くのにも時間がかかり、また腫れるリスクもあります。
その場合考え方として、痛いことは一度に行いたいという考えもあります。
無痛治療の静脈麻酔とは意識を半分保ちながら半分昏睡させる状態です。痛みを感じずに治療が行えます。
静脈麻酔は麻酔科医の立会いのもと行います。
主にインプラントを一度に複数入れる場合や高血圧、糖尿病のような全身状態コントロール値が良くない方、また過度に緊張したり、貧血を起こしたりする歯科恐怖症の方などに応用します。
抜歯を1度に4本抜く場合もこの方法が安全で痛みが少なく行えます。
まとめ
それにしても一度に4本を抜くのはさぞ大変ではなかったのでしょうか。
もし親知らずをいっぺんに抜きたい場合の方は担当の先生に相談してみてはいかがでしょうか。
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