巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

歯周病を治す材料、骨を作るBioss(バイオス)の知っておきたい3つの特徴と活用法

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

歯がグラグラしている方、また歯医者さんで歯周病と歯を抜くと言われた方、又インプラントをするための骨がないと言われた方、必見です。

骨を作る再生治療をご存知ですか。今まで歯周病によって失われた骨を再生させて元の状態に戻す治療です。

その中でもBioss(バイオス)は世界的に成績の良い歯科材料です。今回はBioss(バイオス)についてお話しします。

Bioss(バイオス)

Biossはスイスのゲイストリッヒ社が20年前から開発して市場に出ていた製品でアメリカでも多くの歯科医師が使用しています。

日本では厚生労働省の認可が遅かったので、世界に普及されてから数年遅れてようやく認可が取れた状況です。

バイオスの研究データでは海外、日本で多くの論文が出ており、骨を作る材料(骨補填材)の中では非常にポピュラーな商品です。

Biossの特徴をそれぞれ説明する前にbiossを含めた骨補填材とは何かと骨補填材の種類についてお話しします。

骨補填材

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骨補填材は骨がなくそこに骨として変わってほしい場所に骨の代わりになる材料を補填するものです。

大きく分けて3つの補填材があります。

自家骨

自家骨は自分の骨を補填します。顎のオトガイ部や頬棚と呼ばれる骨のある場所から骨を採取して作ります。

メリットとしては自分の骨なのでまず拒絶反応がありません。移植手術と同じことですので体に一番安全な方法と言えます。

デメリットは骨を採取する部分と供給する部分の両方治療しないといけないので手術部位が二箇所以上になります。

また自家骨の場合術後吸収量が他の方法よりも大きいです。つまり補填した骨がなくなってしまい造骨効果が少ないです。

他家骨

脱灰凍結乾燥骨(DFDBA)と 非脱灰凍結乾燥骨(FDBA)と呼ばれる2つの材料があります。他家骨とはつまり人の骨を使って骨を作ります。

メリットは非常に成績がいいのと、手術が自家骨の時より低侵襲なことです。

デメリットは感染症のリスクが否定できないことです。

異種骨

Biossはこちらに属して、牛、豚などの人間以外の動物の骨を使って補填材の代用として使います。

非常に成績が良く他家骨同様、低侵襲な治療法です。

デメリットは他家骨にも通じるかもしれませんが、他人、牛を使って、自分の骨を作るということなので気持ち的にあまりいい印象を持たれません。

人工骨

ハイドロキシアパタイトなどの人工的に作った骨です。メリットは厚生労働省の認可が得ているため非常に入手しやすいことです。

デメリットは骨を作る成績が他と比べ良くありません。

 

このように骨補填材には各々特徴がありますが、Biossはこれらと比較してどうなのでしょうか。

Bioss3つの特徴

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Biossは生体に吸収されないか

せっかく補填した材料が生体に吸収されなくなってしまうと意味を持たないのですが、先ほど申し上げた通り、自家骨は一番吸収されます。

人工骨は吸収はされませんが骨を作るというよりも、人工骨のみでボリュームを取っている状態です。

Biossはどうかというと吸収はされますがいきなり吸収は起こりませんし、吸収量は大量になわけでもありません。

停滞したBiossはゆっくり時間をかけて骨に置き換わります。(リモデリングと言います。)

自家骨では吸収が多く、人工骨では吸収されないが骨としての置き換わることができないです。

よってBiossは吸収量の少ない骨に置き変われる材料と言えます。

 

Biossは骨を誘導をしてくれる

Biossは多孔性の細かい粒子状でできており、この粒子の間に血液が入り込み、血餅を作りやすく、そしてそこに停滞させます。

血餅とは簡単に言うと怪我をした時にカサブタが出来ますよね。カサブタが出来た後その中で治癒して怪我を治してくれるのですが、このカサブタになるための血液です。

骨を作るために血餅が最初に作られないと骨は作れません。血餅が作られた後、周囲から張り巡らした血管が成長し、その後骨を作ります。

この力を骨誘導能と言います。骨を作っていく環境を作ります。

Biossは生体に害がない

牛の骨を高温加熱処理を長時間して全ての菌をなくした状態で作られます。よってタンパク質などの有機物がない状態の無機物として構成されています。

また抗原性(体の抗体と結びつく因子)もないので体の中に入っても害が起こりません。

 

コンビネーションとしてのBioss

Biossは骨誘導能と生体親和性(体に害がない)を生かしてBioss単体だけでなく様々な再生材料とミックスして使われることもあります。

例えば、以前お話ししたエムドゲインを単体で使用した歯周病の再生治療と、Biossとエムドゲインを混ぜて使用した方が歯周病が改善したというデータもあります。

エムドゲインについてはこちら

エムドゲインやBiossだけでなく、現在組織を再生させるための材料が海外で多く普及されています。

その材料の中でもBiossは色々な材料と合わせて使用できるほど安定性のある材料です。

GEM21 やPRPと言われる材料(血小板由来)もその一つと言えます。

まとめ

現在、様々な骨を再生させる材料が海外では製造され、多くの国で使用されていますが、残念ながら日本ではそのどれもが認可されているわけではありません。

これには狂牛病問題、未開発の材料を使い生体に害を及ぼさないかという安全性の面で守ってくれる良い面もありますが、海外からの医療を後手になって供給される、医療国としては少し遅れてしまうという面もあります。

その中でBiossは生体に安全性のある(体に安全)骨を作る材料の一つではないでしょうか。

またBioss以外の様々な材料を推奨している歯科医がいるのも現状でこのような組織を再生させる治療法がゴールドスタンダード化されるのはまだ先になると思われます。

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