こんにちはヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
右の噛み合わせと左の噛み合わせが違う時にあごはどちらかに傾こうとします。つまり物を噛んだ時に噛みやすい位置にあごは移動します。
その結果顔のゆがみを引き起こすことがあるんです。
今回は噛み合わせと顔のゆがみについてお話しします。
目次
左右非対称の歯並びは顔のゆがみを引き起こす？
左右非対称で歯並びが違うと顎はもとより顔にもゆがみが出てきます。上顎と下顎の関係が変形して元に戻らない状態のことを
顎変形症
と呼びます。生まれた時から顎の骨が変形している場合もありますがその多くは後天的なものです。最初は普通に噛んでいたのに気付いたら顎が歪んでしまった。下半分の顔が左右非対称になってしまった。
いったいなぜでしょう。
顔の下半分が左右非対称になる原因
主に噛み合わせの不調によっておきます。
①虫歯を放置してしまった。
虫歯を長期間放置して歯が崩壊してしまうとそこでものが噛みにくくなります。
２本以上ひどい虫歯によって歯が無くなると顎は噛みやすい反対側の歯で噛むように無意識に変異します。その結果顔が噛みやすい方へ傾きます。
②歯並びが悪く悪化してしまった。
歯が親知らずにおされて歯並びが悪くなったり、斜めに生えていた歯が噛みこむことでもっと倒れこんでしまい噛み合わせが悪くなることがあります。
歯並びが悪い状態が悪化すると顎変形症になります。
③歯を抜歯してそのままにした。
歯を抜歯してそのままにすると両隣の歯が傾いたり、対合の歯が抜いた場所のスペースに落ちてきたりします。
最終的に噛み合わせが悪くなります。
もちろん奥歯の歯を抜歯してそのままにすれば反対側の奥歯でものを噛むことになるので顎が傾きます。
④左右どちらかしかものを噛んでいない癖がある。
右噛み、左噛みどちらかでしかものを噛んでいないことを
偏咀嚼と言います。
偏咀嚼が慢性化すると筋肉、骨格も使っている側が発達してしまうので顎の左右非対称ができます。
左右非対称歯並び（顎変形症）はどうやって改善する？
ここでは実際に左右非対称になってしまった方の治療法をご紹介します。
①歯列矯正で左右非対称歯並びの改善をする。
悪くなってしまった歯並びを矯正治療によって元どうりにすることができます。しかし骨に変形が残る方は歯列矯正だけでは治せません。
矯正治療には舌側矯正、表側矯正、マウスピース矯正があり、歯並びを治すメカニズムがそれぞれ異なります。
②差し歯で左右非対称歯並びの改善をする。
差し歯治療によって虫歯で噛んでいない場所や倒れかかった歯に噛み合わせを与えて改善します。
左右の噛み合わせの高さを見たり正中のズレを考慮しながら左右均等な噛み合わせを与えるよう行います。
③外科矯正で左右非対称歯並びの改善をする。
骨に変形がある場合は外科矯正を行います。変形してしまった骨を正中に戻すような手術を行います。
④マウスピースで左右非対称歯並びの改善をする。
マウスピースを使い顎のズレ、左右非対称になった噛み合わせを一旦リセットするために使います。
本来歯があった頃の噛み合わせ、顎がリラックスした状態の顎の正確な位置をマウスピースを使って戻します。
マウスピースに歯の噛む誘導面を作る誘導型と顎のリラックスした状態を見るためのマウスピース（スタビライゼーション型スプリント）があります。
しかしマウスピースはあくまで歪んだ顎の筋肉を元に戻すためであり、①②③の治療が結果的に必要になります。
まとめ
顔の下半分が左右非対称になってしまった時、マッサージや整体で治せるか？
原因は様々ですがその原因が歯並びや虫歯であればしっかり治療をすることをお勧めします。
噛み合わせ治療は一本の歯を治療するのではなく複数の歯の治療になり治療期間や御費用がかかるかもしれませんが将来的なことを考えれば『ものがちゃんと噛める』という価値があります。
