こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
今から10年前の2007年。ちょうどMACのCEOスティーブジョブ氏が、iphoneという新しい機種の携帯電話を発表した年です。
2008年に日本で販売されてから早9年。
私たちの使っている携帯はiphoneのようなスマホが大部分で普及しガラケー(ガラパゴス携帯)を持ってる方はわずかになりました。
家電でも10年前と今とでは全くことなり、携帯電話のアプリで洗濯できたり、照明を調整したりと私たちの暮らす様々な分野でデジタル化が止みません。
我々歯科の分野においてもデジタル化が進み10年前と現在とでは治療や診断の面でいろいろな変化が起きています。
今回はデジタル化で進化した歯科治療についてお話したいと思います。
目次
歯科治療のデジタル化
歯科にデジタルを取り入れることで、今まで複雑な作業が簡略化されエラーの少ない治療を提供できることができました。
今回は歯科医院の治療で私たちが知っている作業で歯を型取りする作業に焦点を当ててお話ししたいと思います。
歯の型取りをデジタル治療で解消
歯の型取りで『おえっ』と嗚咽しそうになったことありませんか。
ピンクやブルーの柔らかい粘土のような素材が口の中全体に入り、固まるまでずっと口の中に入れている感覚。嫌ですよね。
歯医者さんが嫌いになるランキングで麻酔の痛さ、歯を削るキーンという音に続き、歯の型取りが3位を占めています。
私たち歯科医師が思っている以上にストレスに感じる歯の型取りですが、デジタル化された歯科器具CAD/CAM(キャドキャム)で1分以内に歯の型をデータとして取り込むことができます。
光学印象(歯科用3Dスキャナー)
(planmeca社より出典)
光学印象とはセンサー口から出る光の反射率によって物とセンサーの距離を計測して物体のデータを認識するものでいわゆる3Dスキャナーの事です。
センサーを口腔内へ挿入し1分くらいで削った後の歯の形をスキャニング(読み取り)します。歯の型取りを光学印象(3Dスキャン)することでどのような利点があるのでしょう。
①治療時間の短縮
従来ピンク色の粘土のようなもので型取りする場合は削った歯の型取りに4分、対合の歯に4分、そして噛み合わせの型に1分を要します。
合計10分以上が歯の型取り作業を要しますが、歯科用3Dスキャナーでは削った歯に1分、対合の歯に1分、噛み合わせで30秒、すべての工程、合計3〜5分前後でデータを読み取ることができます。
約半分の治療時間が短縮されます。
②エコロジー(ゴミ問題)
歯科医院で排出するゴミですが、通常、歯の型取りをしたあとの型取り材や石膏模型材は一般ゴミとして収集されず、医療廃棄物として専門のゴミ収集業者によって産廃されます。
特に石膏は燃えないごみとして扱われるので年々ごみは増えてくる一方です。
日本はごみ排出量が世界一の国なのでやはりごみ問題は切っても切れない問題です。
このような一人の患者様で使用される石膏や型取り材が3Dスキャンでは画像のデータなので一切ごみが出ることはありません。
③経済的
②で使われる型取り材や石膏、またそれらに伴う機材、人件費などは型取りの毎度発生することになります。
『被せ物の合いが悪かったのでもう一度型取りしましょう。』
なんて言われたこと、ある方もいると思いますが、型取りごとに費用がかかります。歯科用3Dスキャナーでは何回スキャニングしてもコストはかかりません。
④患者さまの負担軽減
どうしても型取りが苦手な方、毎度毎度嗚咽してしまう嘔吐反射の強い方。
歯科用3Dスキャナーではセンサーを口の中に入れて数秒すればデータを読み取れるので、今まで辛い思いをした方には朗報かもしれません。
⑤ネットワークによる情報の共有
被せ物や詰め物を場合によって海外の技工所で製作することがあります。特にインビザラインなどのアライナー矯正などは基本海外の技工所で製作されます。
海外のラボと取引をする場合、型取りをした模型を飛行機運輸され関税や検査を通って取引が行われますが、その毎度に料金が発生されます。
エラーが起こった場合などはエラーごとに金額が発生したり、場合によっては検査に引っ掛かる場合もあります。
また日本と海外とのタイムラグも発生します。
歯科用3Dスキャンでスキャニングされたデータはその場で海外のラボに転送することで瞬時に情報を経由できます。
⑥衛生的
歯科医院で型取りをすると患者さまのお口の周りだけでなく診療椅子周囲や石膏を注ぐ技工ルーム、様々な所で型取り材や石膏で汚れていきます。
歯科材料で汚れた環境はなるべくないに越したことはありません。
スキャニング治療は患者さまの口周りだけでなく診察スペースを汚すことはありませんので、常に清潔で衛生的な環境が維持できます。
まとめ
ガラケーからスマホになったように確実に様々な分野でデジタル化が加速されています。歯科医療の分野でもその波が押し寄せています。
現在2017年、米国の歯科医院の30%以上でデジタルスキャニングは普及されています。日本では現在普及率4%にも満たしていません。
今後将来日本でもこのスキャニングが多くの歯科医院で普及される時代が来た時は、患者さま並びに私たち歯科医師にとっても快適な歯科治療が行えることと思います。
(フィンランドにてスキャニング研修中の著者)
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