巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

噛み合わせの治療 その5

堀池さま.001

こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。

噛み合わせ治療の症例 その5

概要

患者 40代 女性 主婦

患者Hさんは昔行った矯正治療の失敗によって歯が大きく外側に広がってしまいました。

奥歯との噛み合わせもそれにより調和が取れなくなり、次第に虫歯や歯の破折によって奥歯がなくなってしまいました。

奥歯で食事もしづらくなり、代わりに前歯の方を使うようになりました。

しかし次第に前歯にもトラブルが起こり総合的な治療を受けに来院されました。

治療前の状態

正面の写真

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右側の写真

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左側の写真

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下の写真

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上の写真

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上の歯が外側に大きく広がっているのがわかります。

また奥歯には銀歯で治療されており被せ物のデザインも少し不自然なのが見えます。

下の歯は奥歯がほとんどなく左下の奥に一本だけ奥歯があるだけです。右側には小臼歯しかないのですが、その小臼歯も被せ物が外れたままで放置されていました。

正面の写真では下の前歯に隙間が見えるのがわかります。

患者さんのお悩み、懸念されていたこと

患者さんは東海地方から来院されている方でしたので何度も頻繁に来院することは難しいようでした。

また現在の歯並びから理想的なゴールを目指すためには再度2〜3年の全顎矯正治療が必要でしたが、患者さんはもう一度長い期間かけて矯正をすることには賛同いただけませんでした。

極力迅速に、来院回数を減らして治療を終えたいということで、補綴治療、インプラント治療、部分矯正治療をご提案させていただきました。

治療後の写真

正面の写真

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右側の写真

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左側の写真

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下の歯の写真

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上の歯の写真

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治療は9ヶ月で終わりました。

右上左上の奥歯はフルジルコニアのブリッジ、クラウンで製作しました。

下の前歯には3か月間の部分矯正をしたので前歯の空隙が封鎖されているのがわかります。

また右下の歯の奥歯にはインプラント治療を行い、左下にはブリッジ治療を行い、サポートする噛み合わせを作りました。

安定した噛み合わせを再構築するためには、必要最低限な治療を行わなければなりません。

ここでいう必要最低限の治療とは部分矯正とインプラント治療です。

部分矯正についてはこちら

噛み合わせ治療その5の治療計画、方針

まず大きく広がってしまった歯列を戻すために再矯正治療を提案しましたが、患者さんは期間が長いこと、一度矯正治療で失敗していることから今回の治療に全顎矯正プランは却下されました。

では全顎矯正が不可能だとすると、まずはこの噛み合わせで奥歯を再構築することが最優先事項になります。

右下の歯があった部分に1本のインプラント治療を行いました。(本当は失われた歯の数、計2本がいい)

また左側の上の歯には不適合な設計の差し歯を外してジルコニアクラウンを製作しました。

左下の歯はその上の歯に合わせジルコニアブリッジを製作しました。

なぜ部分矯正をするの?

全顎矯正ではなく前歯の隙間を埋める部分矯正を行いました。

これはただ単に患者さんがきになるから治療したわけではありません。

審美的な改善もありますがそれだけではなく、一番の目的は犬歯ガイド、アンテリアガイダンスを作る為です。

犬歯ガイドについて詳しくはこちら

アンテリアガイダンスについて詳しくはこちら

前歯は奥歯を守り、奥歯は前歯を守ります。

歯が横や前に移動させた時に、歯が少なからずガイドしていないと(上の歯とし下の歯が接触しあって滑ること)奥歯への負荷に影響が出ます。

ひょっとして下の両奥歯が早々に亡くなってしまった原因は前歯のガイドかもしれません。

適正なガイドを作るために部分矯正を行いました。

部分矯正は下の前歯のみを対象に4〜6か月行いました。治療後の写真で隙間が埋まっているのがわかります。

適正な側方ガイド

右に歯ぎしりをした時に犬歯や前歯がガイドし奥歯は離れる。

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左に歯ぎしりした時の写真

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両方とも奥歯が離れているのがわかります。この噛み合わせ様式を犬歯ガイド、アンテリアグループファンクションなどと言われます。

まとめ

治療法は一つではありません。

またそのゴールも一つではありません。

歯医者さんができること、できないこと。患者さんができること。できないことをしっかり明確にし、お互いにとって最高の関係で治療ができることが一番です。

今回、歯並びが広がったままで補綴処置を終えた点、

また右下にもう一本インプラントを入れるべきなのにまだ治療が未定な点が今後の注意点です。

引き続き、夜間はマウスピースを使用し、インプラントや噛み合わせを含めた定期的なケアを徹底していければと思っております。

患者さんの治療が終わった時の笑顔は今までの治療がやっと終わったと言っているみたいですね。

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