こんにちは巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。
皆様はある日突然歯が痛くなったことありませんか。例えばこんなこと
患者さん『三日前から噛むと痛いから食事は反対側の歯で噛んでいるの』
『虫歯だと思うので、診てくれませんか。』
歯医者さん『んー、虫歯はありませんね。』
患者さん『え?嘘?』
そんな一コマ実際にあるんです。
今回は知っておきたい破折歯についてお話ししたいと思います。
目次
割れた(破折した)歯の痛みについて答えます。
歯は一度割れてしまうともう元には戻りません。割れた(かけた)歯が部分的で小さければ修理も簡単ですが、大きい場合は場合によっては抜歯に至ってしまうこともあります。
また歯が欠けた状況によって症状も違うため我々歯科医師でも診断が難しいのです。
歯が割れてしまった時に知っておきたい痛みの度合いについてまとめました。
歯が部分的に欠けた場合は痛みがないか軽度
歯の一部が欠けた場合はほとんど痛みはありません。稀に欠けた場所が空気が当たったり水を飲むとしみる程度です。
割れた部分が神経に近ければその度合いが上がり、離れていれば症状が出ません。
割れている部分が神経まで到達していない場合
割れている部分が歯の一部まで到達しているが神経まで到達していない場合、割れ目に沿って冷水や空気が入るとしみる症状が出ます。
また噛むと違和感が出たり、進行が悪化すると噛んだ時少し痛みが出ます。
割れている部分が神経まで到達した場合
割れ目が神経まで達すると激痛が走ります。噛むたびに痛みが走るので誰でも感じ取ることができます。
またそのまま放置していると歯髄炎と呼ばれる神経の炎症が起こり、噛まなくても歯がジンジン痛くなることがあります。
神経処置している歯が割れた場合
割れ目が神経を処置した歯の場合、何もしないでズキズキする激痛が続くことはありませんが、やはり噛むと痛いです。
よく患者さんからは『柔らかいものを噛んでも痛い』とおっしゃられます。
この部類に入る多くが歯を真二つに割れた状態が多いです。
神経を取った歯は神経がある歯に比べもろく割れやすいためです。
特徴として噛むと痛みが走ります。また指などで割れた歯を触ると歯の一部がグラグラしていることに気づくかもしれません。
これは割れてしまった一部の歯が独立して動くためです。
割れた(破折した)歯を診断するとわかるこんな特徴
割れた歯が臨床上顕著にわからない時に虫歯であるのか、歯周病であるのか判別は難しくなります。ここでは割れてしまった歯で共通できる事項についてまとめました。
①割れ目に沿って歯茎が溶ける
歯は一度割れてしまうと元に戻ることはできません。割れ目に口腔内細菌が集まり周囲の組織を破壊していきます。つまり歯を守るための歯槽骨も無くなります。
プロービングと言って歯茎の炎症を測る器具を使って診査を行うと割れ目に沿ってポケットの値が大きくなります。
②割れ目は染色液や肉眼で確認できることがある
歯が大きい割れ方をすれば指やピンセットで触れやすく割れたことを確認しやすいです。しかし割れ方が小さいときや、割れ目が確認できない場合は染色液を使うことで割れ目を確認しやすくなります。
染色液は従来虫歯の進行を診るための液体でしたが破折を調べるにも有効な方法です。
③虫歯がない
歯が痛んだときに可能性として考えられる病気は虫歯(根の病気も含む)、歯周病があたりますが、虫歯ではないのに歯が痛む場合は破折を疑います。また歯周病であってもポケットの値(検査値)が8mm以上で限定している場合でも破折を疑います。
まとめ
破折した歯はその割れ方によって痛みが異なります。
もちろん治療法も異なりますが、まずは正確に割れているかどうかを鑑別しなければなりません。歯を診査して割れ目の有無が当日わからない場合もあります。
そんな場合はすぐに判断せずに噛み合わせを調整したり、歯茎を治療して症状の改善ができたかを診ます。
もし何かを噛んで痛みが走った場合は早めに歯医者の受診をお勧めいたします。
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