巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

歯の根の治療に何度も通うのはなぜ?

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

歯の神経の治療をされた方、今現在治療されている方に必見の話です。

虫歯が大きくて残念ながら神経を取らなければならなくなった時、何回か歯科医院に通院しなければなりません。

しかしなぜ何回も歯科医院に通わなければならないのでしょう。また何度も通院した挙句結局治らなかったという話も聞きます。

今回は歯の根の治療が治らないのはなぜか。また何度も通院しなくていい治療についてお話しします。

歯の根の治療が治らない理由

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歯の根の治療を受けたことがある人はご存知だと思いますが、『はい。お薬を交換したのでまた来週お越しください。』なんて経験はないですか。

歯の根の治療は何回か通院が必要になります。

また歯の根の治療(根管治療)に何度も通院しても治らない方もいます。いったいなぜなのでしょう。下に治らない理由を記します。

①歯に亀裂が入りそこから菌が入っている

歯に亀裂が出た場合はその亀裂が大きかれ小かれ歯が割れる可能性があります。

また亀裂に沿って歯の内外から菌が集まってきます。その結果歯の内側からも外側からも菌が侵入するとその周りの組織や、骨を溶かします。

内側からキレイに根の治療を行っても亀裂に沿って随時菌が流入しますので意味がありません。

亀裂がある状態でずっと根の治療を続けてしまっている場合はずっと治らない可能性が高いです。

②歯の根の病気が大きすぎて治療ができない

通常根の治療する場合、噛み合わせの面から歯の中心部へ向かって削って穴を開けそこから器具を出し入れしています。

根管口と呼ばれるその穴は非常に小さく、また根の治療をする器具リーマーも小さいです。

この小さい器具で大きすぎる病気を治療することは困難です。その場合は別の治療法を行わなければ治らないです。

③歯に穴ができていてそこから菌が入っている

歯に穴がある場合はこの穴から菌が絶えず流入してきます。

しっかりと根管治療が行われていても穴から流入した血液や菌が伝って感染状態が続く恐れがあります。

穴は歯の内部だけでなく穴が空いた外側の部分も感染しますのでこのような場合の治療は、歯の穴リペアをして根の治療をしなければなりません。

④歯質が薄すぎてラバーダムがかけられない

歯の治療をする場合ラバーダムと言われる唾液や他の感染物が流入しない特殊なゴム装置で感染防止処置をしなければなりません。

歯が薄すぎたり、歯の崩壊が著しい場合ラバーダムを装着することができなくなります。

ラバーダムが使用できないため感染物が歯の根の中(根管)にはいってしまう可能性が高くなります。

これにより十分な清掃ができず完治できないことがあります。

⑤歯の根が曲がっていたり複雑で器具が到達できない

歯の根が極端に曲がっていたり、特殊な形をしている場合、治療器具リーマーを使って根の治療をすることが十分にできません。

歯の根が単純だったり単根(一つの根)であれば器具が到達しやすく清掃しやすいですが、奥歯になるに従い歯の根の構造は複雑化します。

歯の根が複数になり、1本の根でも根管(神経の通路)が2つ以上あることもあります。

1本の歯で何本もの根管がある中で全ての根管がしっかりと治療されていないと病気が発症してきます。

⑥歯の根の病気と歯周病が混合感染している。

歯の根の病気がうまく治療できていてもその歯が歯周病の場合は状況が変わってきます。歯周病菌が歯の根に周ってくるのです。

また根の病気と歯周病菌が合わさると歯周病の治療と根の治療を複合的に行わなければいけません。

再感染率も高いため根管治療(根の治療)は難易度を増します。

歯の根の治療が成功する方法

① 根管治療専門医で治療する

歯医者には矯正をする歯科医、子供専門の小児歯科医、抜歯や口腔病変を専門にする口腔外科医のように歯の根の治療を専門に扱う根管治療専門医がいます。米国ではendodontistとよばれ被せ物を担当する歯科医と根の治療をする歯科医が違います。

このように根管治療専門医によって治療をすることで普通の治療では抜歯になってしまう治療でも残せることがあります。

② ラバーダムを使って治療する

ラバーダムは唾液や感染物が根管に入ることを防ぐゴム器具です。この器具を使うことで感染に徹底した根の治療が可能になります。

③ 歯に穴が空いている場合はMTAセメントで穴を埋める

歯に穴が空いた場合、今までは被せ物をつける用のセメントやプラスチックなどで穴を埋めることが主流でしたが、実際あまりいい結果にはなりませんでした。

現在MTAセメントと言われる薬によって高い確率で根管治療が成功しています。MTAセメントは特に歯に穴が開くこと(パーフォレーション)を補修できることで以前よりも歯を救えることが可能になりました。

④ 歯の病気が大きい場合は外側から外科的にアプローチする治療も検討する

歯の根の治療だけでは賄えきれない場合この病気を外側から治療することが可能です。

歯根端切除術とも言われますが根管治療専門で行っているドクターが行うことで高い確率で歯を残すことができます。

まとめ

歯の根の治療を何度通院しても痛みが取れなかったり、結局治らなかった方もいられると思います。

抜歯をする前に一度このような治療法も知っていただけると治療の選択肢が増えるのではと思います。

まずは歯の神経の治療をしないにように日々ケアしていきましょう。

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