巣鴨の歯医者「ヴェリ歯科クリニック」が発信する歯の知識

『被せの下に虫歯があるので抜歯になります。』は諦めてはいけない。知ってほしい歯を残す方法

AdobeStock_108595220

こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。

「被せ物(差し歯)の中で虫歯が進行しています。虫歯の範囲がとても大きいので残念ですが、抜歯の対象になります。』

昔治療した歯は、ずっと大丈夫と思っていたのに、、、

こんな悲しい事、経験された方いませんでしょうか。

また、以前被せ物の治療を受けた方で、ご自身の歯でこのようにならないか心配な方、いませんでしょうか。

今回は差し歯の下で繁殖してしまう虫歯と抜歯しないで歯を残せる方法についてお話しします。

なぜ被せ物(差し歯)の中で虫歯ができるの?

差し歯を昔治療していても、後々差し歯の中で虫歯が発生することがあります。

いったいどうして何でしょう。

①虫歯の取り残しによって繁殖してしまう

治療の際、虫歯を全て取り除かねばならないのに、虫歯を残してしまうと後々繁殖してしまう恐れがあります。

特に歯の神経の治療(根の治療)の場合神経を取り除いているため、虫歯が進行しても痛みを感じることはありません。

そのため虫歯はエンドレスで進み、気がつくと抜歯の対象になってしまいます。

②不適合な被せ物(差し歯)の設計によって虫歯が繁殖する

被せ物の淵のことをマージンと呼びます。

マージンに少しでも隙間がある時、このスペースから唾液や感染物が流入する恐れがあります。

初期では歯科用セメントで封鎖していますが、だんだんセメントが剥がれ落ち、デッドスペースに細菌が入り込むことがあります。

これにより虫歯が大きく繁殖してしまうことが起きるのです。

③強い噛み合わせ、不安定な噛み合わせによって起こる

歯に当たる噛み合わせの場所が真ん中、歯の軸に対して直軸で、多くの咬合接触が歯に当たっている場合と、歯の軸に対してベクトルの違う力が、歯の中心から遠い場所で、少ない咬合接触の場合を比較すると。。。

後者の方が良くないイメージがありますよね?

そうです。被せ物は力のベクトルが違う作用を受けると外れるリスクが生じます。

またその歯だけに強い力を受ける強い噛み合わせでも外れます。

差し歯(被せ物)は最初セメントでついていますが、徐々にセメントは剥がれ、虫歯になります。

④歯周炎によって歯茎が下がることで虫歯が起こる

歯周炎になると歯茎の下に炎症が起こります。

歯周炎の方の歯茎の中は細菌だらけであり、常に物が歯茎の中に入りやすくなります。

停滞した汚れカスはさらに歯茎を下げてしまうことになります。

歯茎が下がると、被せ物と歯茎の間に段差が生じ、その段差から虫歯菌が入りやすくなります。

歯茎が下がった場所(歯根部)は虫歯になりやすいので要注意です。

虫歯が深いと抜歯になる?

 

被せ物の下に虫歯ができていても、虫歯の範囲が小さければ、歯を残すことは可能です。

しかし歯を残せない場合もあります。

虫歯の進行が歯肉縁下(歯茎の下)に達した場合

虫歯の進行が歯茎よりも2mm以上深い場所にある場合、残念ながら抜歯の対象になります。

逆を言えば、虫歯が深くても歯肉縁下2mm以下であれば残すことが可能ということになります。

虫歯が深くても歯を残せる方法

他院で虫歯が大きくて抜歯と言われた方々に必見です。

歯の保存ができる方法二つの方法をご紹介します。

参考にしていただければ幸いです。

①歯茎を下げて虫歯を治療できる方法

歯茎を下げる治療法をクラウンレングスニングと言います。

虫歯が歯茎の中まで進行している時、歯を残すための境界としてまずはここに注目してみてください。

虫歯が歯茎の下2mm圏内で進行している場合

2mm圏内の場合、歯茎を下げるクラウンレングスで治療は可能です。

虫歯を除去した後に歯茎をメスなどで無くします。また歯を支える骨(歯槽骨)も削る必要があることがあります。

これによって歯茎が下がり虫歯を除去することができます。

②歯を引っ張って虫歯を治療できる方法

歯を矯正治療で引っ張ることをエクストルージョンと言います。

以前書いたブログを参考にしてみてください。

エクストルージョンについてはこちら

虫歯が大きく歯茎の中まで侵食してしまった場合、エクストルージョンによって歯を引っ張る治療で歯を救えます。

これにより虫歯が歯茎の下に繁殖しても、矯正治療によって歯茎の上に持っていくことができます。

矯正治療で引っ張った後に虫歯を削り、もう一度差し歯を制作します。

まとめ

クラウンレングス法とエクストルージョン法、少しはご理解いただけたでしょうか。

虫歯が歯肉縁下に存在する時、片方、または両方の治療を使い歯を温存させることができます。

しかし虫歯の範囲が大きければ残せない場合もありますので、まずはしっかりと担当の先生に相談してみてください。

また被せ物(差し歯)の中に虫歯が繁殖しないように定期的なケアが必要です。定期健診を忘れずに歯を守ってくださいね。