こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
噛み合わせによってめまいが起きたり、耳鳴りがおきることがあるんです。食事をしていたら急に『キーン』と耳鳴りがしたり一時的に難聴になったり、クラクラしてくる方。
そんな方で歯の治療をたくさんしていたり奥歯がなかったりしている方いらっしゃいませんか。
それはもしかしたら噛み合わせが原因かもしれませんよ。
目次
COSTEN症候群
COSTEN症候群は1934年に耳鼻咽頭科のドクターCOSTEN先生が発見した病気です。
歯の治療を受けた患者さんの中で、奥歯に噛み合わせの低い被せ物や奥歯がない所に入れ歯を使用していた患者さんの中に顎の関節が原因だと思われる頭痛や顔面痛,耳痛 それに難聴,めまい,耳鳴,耳閉感などの耳症状が咀嚼により誘発される人が多く見られました。
COSTEN症候群は噛み合わせが低いと起こる
costen症候群は奥歯が無かったり、奥歯の詰め物や被せ物が著しく低いと顎の関節が後ろ側に移動します。
顎関節の後ろ側には耳につながる神経(耳介側頭神経)などがあり、そこを刺激して耳に症状が出ます。
また筋肉に緊張状態が続くことにより、神経や血流に異常な刺激が伝わってめまいや頭痛が起こったりします。
なぜ起こるかは現在でも諸説あり顎関節症によるものや、精神的なもの、他疾患によるものなど様々な説があるので判断がつきにくいところではあります。
しかし共通して言えることは噛み合わせが低くなると顎関節にストレスがかかるということです。
COSTEN症候群のチェックポイント
1. 奥歯の被せ物が低い
これは歯科治療が原因で起こるもので、奥歯の治療をした後しばらく経って耳が痛くなったりします。
噛み合わせは高くなると脳は違和感を強く感じますが、低くなると違和感は感じなくなります。
『先生。高く感じるのでもう少し削って下さい。』奥歯の被せ物を削って違和感を感じなくするよう調整をしますが、削りすぎて低くなりすぎてしまうとこのような耳鳴りが起こってしまうかもしれません。
歯科医師の中では『患者さんが快適になるよう噛み合わせを低くすることは罪』とよく言われています。
2. 奥歯を抜歯して放っておく
奥歯を虫歯や歯周病がひどくなると抜歯をしないといけなくなりますが、抜歯して歯がない状態がずっと続いてしまうと顎が後ろに移動してしまいます。
顎の位置が変わってしまうと筋肉の緊張状態が常に続くようになり顎周りの凝りや筋肉痛が起きるだけでなく、顎の関節も後ろへ移動する為神経を圧迫してしまいます。
結果、耳症状や頭痛などを引き起こします。
3. 歯ぎしりが強い人
歯ぎしりが強くなると咬耗と言う歯がすり減った状態(咬耗)になり噛み合わせが低くなります。この状態は低位咬合と呼ばれます。
特に頬の下の筋肉や咬筋が発達している人は、他の歯に比べて奥歯のすり減りが大きくなります。奥歯がすり減って低くなると同様に顎関節や筋肉に負担がかかります。
4. 元々の歯並びが良くない人
歯並びの良い悪いは元々の骨の位置異常に由来するもの、骨は正常で歯の位置異常によるもの、もしくはそれらの複合的なものがあります。
上の歯が前に出て下の歯が奥に入ってる方は正常な噛み合わせの方と比べ顎が後ろにシフトしがちです。
また下の歯が前に出て上の歯が奥にある方の歯ぎしりの範囲は、正常な方と比べて大きく、顎関節に負荷が多くなる傾向にあります。
噛み合わせ、顎(アゴ)が原因で耳鳴りやめまいが起きた場合の治療法
実際に症状が出てしまったら耳鼻咽頭科や歯科に行ってください。
その原因が耳鼻科の病気なのか歯科の病気なのか診断が必要になります。
歯科による診断の場合にはまず、実際に起こっている痛みを抑える処置をしたり鎮痛消炎薬を処方したりします。
次に原因の究明です。噛み合わせの低下が疑われるので噛み合わせを調整したり、マウスピースで顎の位置を正常にしたりします。
診断には噛み合わせの検査を十分に行う必要があります。
気をつけること(予防法)
両耳の穴の前の方に指3本をあててお口のあけしめをしてください。
あけしめの時に強く痛みを感じたらそれはアゴからくるものかもしれません。
まず自分がそうじゃないかと思ったら病院へ受診していただくことをお勧めします。
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