こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
口の中にインナーマッスルがあるのをみなさんはご存知ですか。ものを噛んだり、咀嚼する行動にはいろんな筋肉が使われます。
このいろんな筋肉の中には前回お話しした咬筋、側頭筋などがあります。
咬筋や側頭筋は骨の表側にある筋肉で私たちが簡単に触れたりマッサージしやすい筋肉です。
今回お話しする筋肉 内側翼突筋 は深層筋とよばれていて私たちが容易に触れられない筋肉です。
内側翼突筋はどのような筋肉か、そして内側翼突筋のマッサージ法をお話しします。
目次
内側翼突筋
内側翼突筋とは普段聞きなれない筋肉ですが、私たちがものを噛んだりするのに使う咀嚼筋の一つでとても重要な役割を持っています。
咬筋や側頭筋は表層筋とよばれ、骨の外についている筋肉に対して深層筋である内側翼突筋は骨の内側にある筋肉で表層筋に比べ容易には触れられない筋肉です。
深層筋とは
深層筋、よく使われている言葉でインナーマッスルと呼ばれています。体の表層にある筋肉、アウターマッスルの対義語として使われています。英語では『deep muscle』と呼ばれています。
深層筋は体のいろんな場所に存在する筋肉で、例えば脊柱起立筋、この筋肉は背中の真ん中の背骨に沿って走行する筋肉ですが僧帽筋や広背筋によって覆われています。
例えば腹横筋、この筋肉は腹斜筋や腹直筋のインナーマッスルで腹筋の場所のかなり内側に存在します。
内側翼突筋はどこ?
内側翼突筋は下の顎の骨(下顎骨)の内側についている筋肉で、ちょうど下顎骨の外側についている咬筋と内側翼突筋で下顎骨をサンドイッチのように挟んでいると思っていただけるとわかりやすいです。
下顎骨の裏側にある翼突筋粗面と呼ばれる場所と蝶形骨の一部につきます。
蝶形骨は上の顎の奥側にある骨で口の中の内部にある骨です。蝶の形をしていることから蝶形骨と言われています。
蝶形骨から伸びた筋肉が下顎骨を内側から支えています。
内側翼突筋の働き
主な働きは咬筋などと同様、顎を持ち上げることで閉口筋(口を閉じるための動作)として働きます。
咬筋に比べると筋肉の大きさはさほど大きくなくまたシッカリした筋肉ではないので触る時は強く触らないようにします。
内側翼突筋を触ってみよう!
お口の中のインナーマッスル、内側翼突筋はほとんど触ることはできませんが、一部を少し触れることができます。
口の外
軽く顎をあげてください。左右顎のエラの裏側に指で押すと凹む場所があります。ちょうど親指の側面で触ると適度な圧がかかります。ここが内側翼突筋のつきはじめの場所です。
口の中
まず口に中を触る場合は手指を清潔にしてください。グローブをしたり歯科用指ブラシなどを使うとお勧めです。爪が伸びている方は口の中の粘膜を傷つける可能性があるのでやめましょう。
①口を軽く開けます。下の歯の一番奥歯を触りましょう。
②この時点で嗚咽感がある方は無理に行うのをやめましょう。
奥歯からさらに奥の方に指を沿わせていきます。ぶよぶよした弾力があるヒダがありますがここの周囲は翼突筋群が密集しています。
内側翼突筋マッサージ
先ほどの周囲を軽くマッサージすることで顎の筋肉をほぐします。内側翼突筋は普段外部から触れられるような筋肉ではないので強い力で押すと筋肉を痛める場合がありますので、マッサージという気持ちよりさする感覚の方が適しています。
また顎を開け閉じした状態で痛みがある場合は無理に行うのはやめましょう。顎関節症で痛めやすい場所なので無理に圧を加えることで余計痛めてしまいます。それでは始めましょう。
①使う指は両親指の側面を使います。
②両親指を軽く曲げます。顎を軽く上げ先ほどの顎のエラ裏に親指の側面を沿わせます。
③親指の側面を当てて圧を軽くかけます。
④圧をかけながら顎の先の方に沿わせて終了です。
この方法は指を立てて押すよりも側面で押したほうが指を中深くへ入れすぎないので、筋肉を痛めにくいことに考慮されています。
口内マッサージ
口内マッサージは口の中に直接指を入れて深層筋、インナーマッスルをマッサージする方法です。先ほどの口外マッサージで十分マッサージ効果はありますが一応口内マッサージも説明します。口外マッサージに比べ非常に軽い力で触ってください。何度も行うと痛めてしまうので何度も触るのはやめてください。
①手指を清潔にして行いましょう。歯科用指ブラシを使用しても効果的です。爪の伸びてる人はやめましょう。
②親指と人差指を使ってクリップのような形を作ります。
③右側のマッサージをするときは右手を使います。右手の親指を頬の外側へ、人差し指を口の中に入れ頬の内側を触ってクリップのようにほっぺたを軽く挟んでください。
④ほっぺたを両方の指で軽く挟んだらそのまま奥の方へ指を沿わせていきます。
⑤ほっぺたを通り越して弾力があるヒダまで到達したら人差し指を上下させて軽くマッサージします。
嗚咽がある人は無理に行わないでください。
まとめ
内側翼突筋は咀嚼筋の中でもインナーマッスルとして顎を上げるのに働く影の立役者です。直接私たちが触れることができない繊細な筋肉なゆえ痛めやすいのです。
口内マッサージはインナーマッスルを直接触るようなマッサージなのでされる場合は無理な力を入れないように行いましょう。
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