インビザライン治療が上手くいかない場合もあるの？

歯に器具を付ける矯正治療より今何かと話題のインビザライン治療。

マウスピースを１〜２週間おきに交換して歯を並べる治療ですが、上手く歯が動く人もいれば、なかなか歯が動かない方もいらっしゃいます。

インビザラインで思ったように歯が動かない場合、私たちはどんな対処法をするかお話ししたいと思います。

インビザライン治療が上手くいかない

インビザラインが上手くいかない場合、大きく分けて二つの原因があります。

一つ目は患者さん側の問題。

患者さんがきちんとアライナーを指定時間使っていないことが多いです。

二つ目は歯科医師側の問題。

アライナーの設計上の問題です。

設計が上手くいっていないと歯は思っている通りには動きません。

患者さん側の問題

インビザラインをサボってしまってる

インビザラインは１日約２０時間の使用で効果を発揮します。

着用時間を短くしたり、全く使用していない日があるとインビザラインが思った通りに動かないばかりか後戻りを起こしてしまいます。

歯が後戻りしているにもかかわらず新しいインビザラインを入れても歯は動きません。

自己判断でインビザラインの交換予定日より早めて入れている

インビザラインは２週間の着用期間を経てから新しいアライナーへ交換します。

患者さんの中には治療期間を早く終わらせるために３日おきに交換される方もいらっしゃいます。

その方が早く終わるのではと思うのは当然のことですよね。

しかし歯はそんなにたやすく動きません。

無理やりアライナーを入れることで歯は動くどころか痛んでしまったり、アライナーを壊してしまう可能性もあります。

早く結果を出したい気持ちはわかりますがゆっくりと着用指定期間を守り着用してくださいね。

インビザラインをしっかりと入れないまま使っている

インビザラインはしっかり入ってこそ矯正機能、歯を動かす力が働きます。

中途半端に入ったままの状態ですと歯は上手く動きません。

アライナーと歯の間に空気が入っていたり、ペコペコ凹むような場所がある場合はまだしっかり入っていないのでしっかりスペースが埋まるまで装着してください。

上手く入らない方はアラインチューナーと呼ばれる付属製品をガムのように噛んで入れたり、担当の先生に相談してくださいね。

歯医者さん側の問題

最初の設計が上手くいっていない場合

インビザラインは最初に行う設計の段階で治療のすべてが決まります。

歯を前に持ってくるのか、後ろに引っ張るのか。

また歯と歯の間を削ってスペースを作るのか、抜歯してスペースを確保するのか。

患者さんによって治療プランは十人十色です。

これはインビザライン治療だけでなく矯正治療全般で言えることなので、この設計を誤ると歯が並ぶのに時間がかかったり、最悪思わぬ方向に歯を動かしてしまい元に戻らなくなってしまうことも起きます。

設計が上手くいっていないと判断した場合はその時点で、もう一度プランを改めた新しいアライナーを作り直します。

これを追加アライナーと呼び、インビザライン社では新しい設計のアライナーを作り直すことが可能になりました。

設計は上手くいっているが装置が機能していない場合

設計の通りに矯正治療を進めていきたいのですが、思った以上に歯が動かない場合もあります。

特に歯を回転させたり、奥歯の圧下（歯を沈ませる）などの治療は予想以上に難しいのです。

歯が上手く移動しない場合、アライナーの交換期間を遅らせたりして動きを慎重に見ていきますが、あまりにも動いていない場合は思い切って新しい設計プランを建てて追加アライナーを行います。

原因がどちらでもない場合

治療途中で虫歯治療が必要になった時

アライナーで上手く歯が動いていても治療途中で大きな虫歯ができてしまった時などは矯正治療を一旦中断しなければなりません。

虫歯治療をすると今まで製作されたアライナーが合わなくなってしまいます。

虫歯治療は矯正前にしっかり治療されるか、小さい虫歯であれば矯正後まで様子を見ます。

中断して虫歯治療をされた場合は、新しい設計を練り直すこともあります。

歯をぶつけて折れてしまったりなどの外傷の時

交通事故や転倒などによって歯が折れてしまう方もいらっしゃいます。

仕方のないことですが、外傷後アライナーが上手くはまらないことも多いに考えられます。

負傷した歯の治療を優先し、治癒後に矯正治療を再開されることをお勧めします。

まとめ

画期的な矯正治療法であるインビザラインですが、様々な原因により矯正が上手くいかない場合もあります。

患者さん側も歯医者さん側もしっかりリスクと対策を説明して理解された上で治療されることをお勧めします。

インビザライン治療がうまくいかない場合にはワイヤー矯正に切り替えている方もいらっしゃいます。

またある程度インビザラインで歯を動かした後に最後の仕上げにワイヤー矯正で仕上げる先生もいらっしゃいます。

もしご自身の歯がうまく移動していないと感じたら担当の先生と相談されてみてください。